(日経新聞 7/1 夕刊記事)
衆参両院の無所属議員5人 企業・団体献金全廃に向け共闘
企業・団体献金の全廃を掲げ、衆参両院の無所属議員5人が「自立した議員をめざす会(The INDEPENDENTs)」を発足させた。出身や政治信条は全く異なるが、政治資金の流れを正すべきだとの一点で共闘が成立。圧力団体のしがらみに縛られた政界に風穴を開けようと奮闘中だ。
| 政治献金の扱いの変遷 |
| 1993・9 | | 経団連が企業献金のあっせんを中止 |
| 94・1 | | 政治改革の一環で政治資金規正法を改正し、 (1)献金公開基準を年100万円超から5万円超に引き下げ、 (2)企業献金の2000年廃止――を決定(施行1年後) |
| 99・8 | | 与党が企業献金の廃止を撤回 |
| 2003・5 | | 日本経団連が企業献金のあっせんを再開 |
| 6 | | 与党が献金公開基準の24万円超に引き上げる政治資金規正法改正案を国会提出 |
旗振り役は、橋本内閣当時に首相秘書官を務め、中央省庁再編や特殊法人改革に携わった江田憲司衆院議員(47)だ。族議員の激しい抵抗を目の当たりにし、「政官業の癒着の打破こそが、改革の第一歩だ」と痛感した。昨年10月の補欠選挙に無所属で出馬。「自民党ではできないことをやる」と意気込む。
川田悦子衆院議員(54)は「被害者」の視点を強調する。二男の龍平さんは薬害エイズ患者。「薬害エイズを引き起こしたのは政官業の癒着。それを断ち切りたくて政治家になった」だけに、後を絶たないカネ絡みの不祥事に危機感を募らせ、「自分たちから変えようと思わない限り永田町は絶対変わらない」と立ち上がった。
ロッキード事件の真相解明や政治資金規正法の強化に取り組み、ミスタークリーンと呼ばれた故三木武夫元首相の長女、高橋紀世子参院議員(62)は「『お金は浴びるように使っていいんだ。でも公金だったらおかしい部分が一銭でもあったらいけないんだ』と父によく言われた」と振り返る。
江田議員に誘われて参加したのが、民主党離党組みの田中甲衆院議員(46)と山村健衆院議員(46)。民主党の労組依存体質を嫌った田中議員は「政官業癒着の自民党、政官労癒着の民主党、いずれも真の改革はできない。自民党でもない、民主党でもない第三極を作る」と力説。山村議員は「スタンドプレーとは言わせない」と張り切る。
与党三党が今国会に提出した政治資金規正法改正案が成立すると政治献金の透明度はかなり低下する。5人は「政治改革に逆行する全く信じがたい法案だ」(江田議員)として企業・団体献金廃止への決意を新たにしたという。
5人は活動の輪を広げようと、手始めに国会議員全員を対象に政治資金に関するアンケート調査を実施したが、回収率は14%にとどまった。それでも「逮捕された議員への歳費支給の停止」は回答者の8割超、「企業・団体献金の即時全廃」には約半数の賛同を得られた。
衆院議員の任期切れが一年以内に迫り、政治改革どころではないというのが永田町の雰囲気だが、5人は改革派の都道府県知事らとの勉強会を開くなどして一段の議論の盛り上げを目指す考えだ。 (政治部 黒沼晋) |