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2006/12/25
 
「『支持率反転は至難のワザ』・・・政権が揺らいできた」

 政権の中にいた人間としての実感だが、一旦下がり始めた内閣支持率を反転・上昇させるのは本当に難しい。例外は、小泉政権ぐらいだ。

 実は、私がいた橋本政権でも、一度だけ「起死回生」があった。96年4月の「沖縄・普天間基地返還合意」だ。政権発足時(96年1月)から、前内閣の負の遺産(住専問題と沖縄問題)を引き継ぎ、それに忙殺されていた橋本首相には、それまで「首相の顔が見えない」等の批判がつきまとい、政権発足3ヶ月にして、60%あった支持率は40%を割るところまで落ち込んだ。それを誰も(沖縄県民も)実現困難と思っていた普天間基地返還で、10%程度押し上げたのである。

 小泉政権では、「田中真紀子大臣解任」で大幅下落した支持率を「電撃訪朝」で、さらには、「改革が中途半端」との理由でジワジワ落ち込む支持率を「郵政解散」というウルトラCで、見事に回復させた。しかし、こんな芸当は誰しもできるものではない。いや小泉首相の稀有の資質、未曾有のこととでも評すべきだろう。

 安倍政権も、当初70%近くあった支持率を、「郵政造反組の復党」「道路特定財源のあいまい決着」「本間税調会長辞任」等で、40%近くまで急落させた。これを受けて、安倍首相は「改革の成果を出してそれを評価していただくしかない」としている。その限りではそのとおりだが、しかし、その成果は単なる成果ではいけない。「誰も予想できないこと」「実現困難なこと」をやり遂げることでしか、もはや国民は反応しなくなってきているからだ。「社会保険庁の解体的出直し」程度の、既に折込済みの成果では、もはや支持率は反転しないと覚悟しなければならないだろう。

 「若くて清新」というのは素晴らしいことである。しかし、安倍首相のこれまでの政権運営をみると、そのマイナス面、すなわち、それゆえの未熟さが徐々に露呈してきたともいえる。「造反組復党」では、「国民との約束」よりも「党内事情」すなわち「人情」や「組織票」を優先し、「道路特定財源」では、道路族との玉虫色決着を図った。「本間問題」では、最後までかばった政治姿勢に疑問符がつけられ、事態がそこまで発展することを当初予想できなかった「危機管理の甘さ」も垣間見えた。こうした一連の事態の推移をみて、国民は「古い自民党に逆戻りしつつあるのではないか」との疑念を強く持つに至っている。

 これに応じて、党内からは、首相への批判が表立って出てきた。支持率が高い首相の前では言いたいことが言えなかった議員も、一旦、支持率急落となると「組みしやすし」と考え、首相の言うことを軽んじるようになる。いわゆる「求心力の低下」という現象だ。橋本政権でも、ロッキード事件で有罪となった佐藤孝行氏を、中曽根康弘氏の圧力で入閣させたことが発端で20%近く支持率が急落したことがあった。その直後の党本部の会合では、それまで音なしだった若手議員を含め、首相を面罵するような動きが露骨にでてきたのである。橋本政権はその後、再び支持率を反転させ、求心力を回復することはなかった。

 そういう意味では、安倍政権は、新年早々から正念場を迎える。4月の統一地方選、7月の参院選をのぞみ、もはや「結果を出すしかない」、気の抜けない政権運営を余儀なくされるだろう。

 日本の政治は、激動の予感をもって新年を迎える。

 
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