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2007/11/26
 
  「シリーズ/なぜ国際貢献なのか?
             ・・・ (6) 為政者のレベルが低すぎる」

 私は、外交・安全保障面では、基本的に政治家、というか為政者を信じていない。これが長年にわたる官僚生活と、数年間の、政権中枢たる首相官邸勤務からくる結論だ。「集団的自衛権」に対する私の考え方のコペルニクス的転換も、実は、ここに起因する。

 政治家は、特に、今の小選挙区制の下での衆議院議員は、地元への利益誘導(道路や橋の建設等)や、年金、医療、介護といった国民の生活に密接した政策については、一生懸命勉強し熱心でもあるが、安全保障や外交については、票にはならないから勉強もしない。いや、一握りの政治家はよく勉強はしているが、如何せん、その実体験、経験がない。

 議員外交などというものは、せいぜい、○○友好議員連盟で各国首脳に会い、当たり障りのない話をし、選挙区向けに記念写真をとって帰ってくるといったもので、およそ外交というものに値しない。現に、諸外国からは、日本の議員団と面会しても、儀礼中心で、有益な話し合いや議論もできず無益として、最近では、なかなか要人とのアポがとれないという事態も生じている。

 その結果、本来、国政の半分を占めるべき外交や安全保障といった国の根幹にかかわる政策に、あまりにも政治家が通じていない。ましてや、外交交渉や国際会議での丁々発止の経験や知識を積んでいない。首相や外務大臣になるような政治家ですら、そういう人が多い。私が基本的に為政者を信じていない、という理由はここに尽きる。

 そんな政治家、そこから時々の政治力学で選ばれる首相、その最高司令官が、自衛隊という軍隊を海外で動かす。考えただけでも恐ろしいし、まともなオペレーション、その指揮ができるはずもない。私が、「集団的自衛権」を認めた上で「時々の状況に応じて、最終的には最高司令官たる首相が自衛隊派遣の是非を判断すれば良い」、などという議論に与しないのも、ここに理由がある。

 つまるところ、国際社会、国際政治の相場観といったものを、今の政治家の多くが持ち合わせていないのだ。党の外交部会や安全保障調査会でいくら役職をつとめ、議論をしてきたといっても、これらの方々には、本当に熾烈な外交交渉をした経験もないし、日常的に、外国の友人や知人と電話やメールで連絡を取り合うといった関係もない。畢竟、外務省その他の官庁から入る情報に頼り、彼らがブリーフする政策や方針に依拠せざるをえなくなるのだ。

 だからメディア等で、「インド洋上から海自が撤退すれば、国際社会から批判され、日米関係が損なわれる」などといったことを平気で言えるのだ。国際社会がどうその事象を捉えているか、その優先順位は何か等の状況がまるでわかってないのだ。インド洋上から自衛隊が撤退して随分時間がたつが、国際社会からの批判もなければ、日米関係が揺らぐこともなかった。

 むしろ、先般の日米首脳会談で明らかになったように、日米関係の重要性を言うなら、米国の関心は、一に米国産牛肉の輸入緩和(BSEがらみ)、二に在日米軍への「思いやり予算」(2300億円)の維持、三に米軍再編(グアム移転、普天間基地移設等)だった。テロ新法には期待するが、福田政権を苦境においてまで、こだわらないというのが米国の本音だ。

 「インド洋上から自衛隊が撤退すれば、大変なことになる」と、あれほど騒いでいた政治家たちも、米国が日米同盟上、はるかに重視する「思いやり予算」の削減については、音無しのようだ。このこと一事をとってみても、彼らの「お里が知れる」というものだろう。

 
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