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2007/12/10
 
  「シリーズ/なぜ国際貢献なのか?
            ・・・ (8) 国益とは何か? 日米同盟」

 テロ新法をどうしても成立させなければならない、と強迫観念にかられている人たちの言うことを聞いていると、「日本の国益」のため、ということに尽きるらしい。しかし、ここでもお得意の「思考停止」がある。

 私も日米関係、日米同盟の維持が、この国にとって死活的に重要であることは認める。誰かさんのように、日米、日中は同等の「正三角形の関係」であるべき、などという議論にも与しない。我が国が、日米安全保障条約によって米国に守られているのは厳然とした事実であるのだから、いくら「アジアの中の日本」と言い、アジアとの友好関係が重要だと言ってみても、中国との関係を、日米関係と同レベルで論じることはできない。

 ただ、その上で、本当に日米同盟が大事と言うなら、日本は「米国の琴線」にふれる協力をしなければならない、ということだ。先に、初の福田・ブッシュ首脳会談のプライオリティー(優先順位)について述べたが、インド洋上での海自の補給活動についてはあくまでも「象徴的な意味合い」しか持たず、米国の優先関心事項は、一にBSE問題、二に「思いやり予算」、三に「米軍再編問題」ということだった。

 このうち、第二、第三の安全保障上の問題について言えば、米国の最も重大なインタレスト(関心)は、日本列島から「不安定の弧」といわれる地域にわたる、機動的な戦略部隊の展開、特に、スービック基地(フィリピン)なきあとの、マラッカ海峡からインド洋、アラビア海からペルシャ湾に至る海域のシーレーン防衛なのだ。

 その点、この地域で米国、米軍に協力的な国と言えば、今やシンガポールぐらいで、スービックからの撤退を余儀なくされたフィリピンはもちろん、イスラム国のインドネシア、マレーシア等も非協力的なのが現実だ。その意味で、米国にとって、日本列島、特に沖縄と、グアムが死活的に重要となるのだ。

 日本列島といえば昔、中曽根首相(当時)が「日本列島は不沈空母」と形容したことからも明らかなように、まさに、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争等に米軍が出撃したのが、日本の米軍基地、横須賀や嘉手納基地等からだった。米軍再編の一環として、沖縄の海兵隊をグアムに移転させるという判断も、米国の世界的な安全保障戦略の転換の中で行われたものだ。

 したがって、日米同盟が重要というなら、こういうコンテクスト(文脈)、パースペクティブ(展望)の下で、一体日本にどういう協力ができるのか、そこを真摯に検討することこそが、まさに「米国の琴線」に触れる協力なのだ。私が「思いやり予算」や「海兵隊のグアム移転」「普天間基地移設」等が大事だという所以のものである。

 もちろん、米国という場合、ブッシュ政権だけではなく、ブッシュ後もにらんだ、より普遍的な米国への協力という観点が重要となることは言うまでもない。

 
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