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2008/03/31
 
「土建・利権政治に逆戻り・・・来年度予算案成立」

 先週の金曜日(3/28)、来年度予算案が、参院では野党多数で否決されたものの、憲法の衆院優越性の規定により、衆院の議決どおり成立した。

 福田政権で初めての予算編成だが、道路予算に今後10年間で59兆円(注)、整備新幹線に史上最高の事業量確保では、30年以上前の「田中角栄・日本列島改造論」の時代に逆戻りではないか。この土建・利権政治への回帰こそが「日本売り」を招き、今の株価の、米国以上の下落につながっている。

 確かに、前内閣の方針もあって、公共事業費(▲3.1%)も政府開発援助(▲4.0%)も減らし、新規の国債発行額(25.3兆円)も減らした。しかし、プライマリー・バランス(基礎的財政収支)は、5年ぶりに赤字幅が拡大(▲5.2兆円)し、財政再建のタガ
(11年度までにプライマリー・バランスを黒字化)が緩み、これが改革を止めてしまったというメッセージを送ってしまっている。

 「ばらまき」と言えば、農業の分野で、補正予算が950億円(前年24億円の40倍!)も計上されたことも問題だ。米価の値下がり対策が主で、農家の収入不足分を税金で補填する。これは明らかに、民主党参院選勝利の原動力とされた「農家戸別所得補償」案を意識している。せっかく自民党も古い農政を捨てて構造改革を目指し、やる気と志のある農業を育成していこうという流れになっていたのに残念だ。

 私が一番懸念しているのは、こういった「自民・民主のばらまき合戦」だ。それがまた日本の借金財政を悪化させ、国際的な評価も下げる。このままでは本当に日本は没落していってしまう。

 国民が一番、しっかり建て直してほしいと願う社会保障制度の改革も先送りにされた。「100年安心の年金」制度を確立するためには、「基礎年金を税方式」にしていくしかない。医療でも、単なる診療報酬の上げ下げではなく、その体系を抜本的に改革して、救急車のたらい回し事件に象徴される医師不足、医師の偏在、病院経営の困窮化対策等に真正面から取り組んでいかなければならない。子育て支援の抜本的拡充強化も急務だ。

 しかし、福田官邸は、またぞろ「社会保障国民会議」をつくって「これから議論します」だ。ただ、年金生活のお年寄りの負担増だけは、「後期高齢者医療制度」の名の下に先取りした。さすがにまずいと思ったのか、初年度と次年度は、その負担の軽減策を講じることにはしたが。

 年末の独立行政法人改革も竜頭蛇尾に終わった。独法というのは3兆5000億円もの税金が投入され、その役員の3割から4割は官僚の天下りだ。そこに抜本的に切り込むつもりが、既定路線の緑資源機構を含めて6法人の廃止・民営化と1500億円の削減で決着した。たった5パーセントの削減では、改革ではなくて、どこの組織も通常行っている「節約」のたぐいだろう。

 「埋蔵金」論争もあったが、最終的には、財投特会から9.8兆円、交付税特会の借金返済猶予で1.2兆円、外為特会から0.2兆円等が拠出された。やればできるのである。しかし、この特会の準備金や積立金の扱いには明確な基準がなく、特に、財投、外為両特会からは来年度以降もかなりの額の「埋蔵金」が出てくるものと思われる。

 今、政治に求められているのは、この日本をどうしたいのかという明確なメッセージである。予算はそのための政治の最大のツール、いや政治そのものであるはずだ。その予算がこの体たらくでは、とてもこの国の再生はないだろう。

(注)福田首相の新提案(3/27)
福田首相は、道路特定財源の21年度からの全額一般財源化と道路計画(10年間・
59兆円)の抜本的見直しを表明した。

 
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