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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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シリーズ/復興財源、100兆円の外貨準備を活用せよ・・・④年間15兆円のドル資金

2011年8月22日  tag:

 さて、いよいよ、みんなの党の提案の詳細に移ろう。

 先に、「今回の提案は、この復興債を、100兆円にものぼる外貨準備の活用で、外為特会が引き受けるというものだ。 政府がドル建て復興債を発行しても良いし、復興に携わる政府系機関がドル建ての財投機関債を発行しても良い。それを外為特会に償還されてくる、満期になった米国債の米ドル資金(毎年15兆円程度)で引き受ける」と書いた。

 そのメカニズムはこうだ。

  ①政府がドル建ての国債(復興債)を発行、あるいは、政府系金融機関や復旧・復興関係の独立行政法人、
          特殊会社がドル建ての財投機関債を発行し、それを外為特会がその外貨準備を活用して購入する。

  ②「外貨準備の活用」とは、米国債売却による資金ではなく(ドル暴落や円高を回避)、毎年満期となり15兆円程度
          償還されてくる、米国債の資金を活用する。


  ③それで得た米ドルを円に転換。円高圧力回避のため、ドル円の為替スワップを行う。例えば2営業日後にドル売り
          円買いを行い、1年後にドル買い円売りを行うといった2つの反対売買を同時に契約(イングランド銀行等に例)。
          あるいは、ドル支払いが可能な既存予算(国際的な対外政策経費)に充て、それで浮いた円予算を復興用に転用
          する。

  ④一方で、今後、外貨準備高を縮小し正常な額に戻していくため、時間をかけてゆっくりと、為替市場に有意な影響を
          与えない形で米国債を売却していく。米国債の一日の市場取引高は50兆円規模とも言われており、適時適切に
          少量ずつ計画的に売却していけば、それは可能である。
    (米財務省によると、日本の今年5月末時点の保有額は9124億ドル/約70兆円)


 このシリーズの冒頭に紹介したエピソードのように、いきなり「米国債を売却」するという選択肢
もあるが、それは更なる円高を招来するので、「天に唾する」(みずからに降りかかる)ものだ。また、財政赤字で苦しんでいる米国をより一層苦境に置くもので、同盟国としてとるべき手法ではないだろう。

 しかし、同様に、いや、それ以上に財政赤字で苦しみ、大震災がそれに追い打ちをかけ、今や瀕死の重傷を負っている日本が、償還されてくるお金を、わざわざ全額米国債に再投資して米国財政を支えていく余裕はまったくない。そこは米国にも理解してもらわなければ困る。

 また、ことわっておくが、この外為特会の外貨準備の活用は、先に述べたように、借金(FB=政府短期証券)によって調達された資金により賄われている。したがって、いずれ、国民に返すべきお金であって、我々が主張している国債整理基金の剰余金(10兆円)のような、ネットで使えるお金ではないことに注意する必要がある。

 ただ、この苦しい数年間を、増税でさらに苦境におくよりも、こうした形で増税しないでつないでいく、そのための方策として提案しているのだ。要は、苦しい時は、家計でも国の財政でも、知恵を出してやりくりしろということだ。

 お金が足りないから増税しろなど、子供にでも言える。何の知恵も要らないし、こんな時に知恵を出さない財政当局も要らない。しかし、このまま我々が何も言わないと、財務省は勝手に、どうせ漫然と米国債に再投資するだろう。それを止めさせ、そのお金を国内に、震災復興に振り向けようと言っているにすぎないのだ。

 ユーロ危機に対応して、財務省は、この1月と6月に、この外為特会の資金を使って、ユーロ債(EFSF 債券)を計26.8億ユーロ(約3000億円)を購入した。国際協力、貢献が大事ではないと言うつもりはないが、それができるなら、なぜ、財務省は震災や原発事故で苦しむ国内にもっと目を向けないのか。

 そこを正すのが、まさに政治の責任なのである。(このシリーズ終わり)

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