臨時国会の論戦に注目いただきたいと思います
2025年10月27日 tag:
高市政権が発足しました。その航海の先には、様々な岩礁、嵐が待ち受けていることでしょう。その帰趨は、年末の頃にはハッキリすると思います。
最大の岩礁は、今国会における「定数の1割削減」の実現です。検討や先送りが目立つ自維連立合意ですが、中でも、吉村維新代表が連立の最大の条件、センターピンと位置付ける課題です。
ただ、これにも「永田町文学」が駆使されています。「実現」ではなく、法案の「提出」までが約束だからです。そして、あくまで成立を「目指す」。
しかし、吉村代表があれだけ国民の前で啖呵を切ったのですから、実現しないと途端に国民から厳しい声が上がるでしょう。
それを受けて、維新は本当に連立を離脱するのか。しないのか。これが政局の最大の焦点になります。実現しないと双方にとって、それは致命傷にも成りうる。
維新には、「何度、自民に騙されれば気が済むんだ」という批判は免れないし、自民も、政権維持のために「どうせ与野党合意に至らず、成立しないことを見越して合意したんだろうな」との批判が免れないからです。それを受けて、一気に政権支持率は急落するかもしれない。
一方、野党も安穏としていられません。定数削減にああだこうだと言って反対しているようだと、それを口実に会期末、高市総理は解散に打って出る可能性も否定できない。そこで、やれ比例がどうだ、小選挙区がどうだと言ったところで、定数削減に反対した抵抗勢力というレッテルを貼られれば、選挙では抗すべくもないでしょう。
いずれにせよ、こうした緊張感を孕んで、臨時国会の論戦がスタートします。いつにも増して、その論戦の重要性は高い。
高市政権は高い支持率で船出しましたが、それは移ろいやすいご祝儀相場に支えられた「砂上の楼閣」の上に立ったそれであり、この高市丸が幾多の岩礁や嵐を乗り越えられなければ、途端に崩れ去るものでもあるのです。また、逆にそれを乗り越えられれば、久々の自民党本格政権ともなりうる。
その意味でも、この臨時国会の論戦に注目いただきたいと思います。
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