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「投げ出し」政治に ――― 異議あり。
毎日新聞(9/5)朝刊 掲載記事 

「投げ出し」政治に ――― 異議あり。

 党の構造  政界再編しかない


 福田康夫首相は、自分にも党にもベストの辞め時を考えたと思う。誇り高い首相としては、総選挙惨敗によるぶざまな退陣だけは避けたい。一方、サミット後、臨時国会前のこの時期は比較的政治空白をも生まない。無投票の民主党代表選にぶつけ、開かれた総裁選をやり、新内閣を発足させれば、ご祝儀相場で即解散、選挙も戦える。
 ただ直接のきっかけは「定額減税」だろう。政局より政策の首相が本来受け入れ難いものをのまされた時の脱力感は、私が仕えた橋本龍太郎元首相が惨敗した参院選直前、「恒久減税」をのまされた時の姿と重なる。
 いずれにせよ、こんな自民党の「ご祝儀相場戦術」に乗ってはいけない。今の「政官業癒着」の、消費期限切れの自民党政治を前提とする限り、いくら表紙を変えても同じことが繰り返される。
 福田首相が無責任だ、自民党がどうだといった次元ではなく、問題は日本政治全体の劣化、構造的なものととらえるべきだ。自民であれ民主であれ基本政策さえ異なる議員が同居する限り、だれが首相になっても福田首相と同じ悩みや苦労を抱え、国民本位の改革は前に進まないだろう。
 実現すべきは、党のトップや政党を取り換えることではなく、政党の中身にメスを入れ基本政策を一致させる外科手術、すなわち政界再編なのだ。次期総選挙では、まさに日本の民度、民主主義に塾度が問われる。
 
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