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「政界再編?それにはまず自民党が分裂しなきゃ。
それには小泉さんに“解散総選挙”してもらわないと」

「月刊誌BIG tomorrow(ビックトゥモロー)」 1月25日発売
江田写真1
 東大卒、通産省、橋本内閣で首相秘書官。そして衆議院議員。紛れもないエリートだが、じつはラーメン好きでハワイ通という意外な一面も・・・


 昨年の10月、衆参統一補選で神奈川「8区から立候補し、当選させていただいたわけですけどね。選挙戦を通じて、一番感じたのは、極度の政党不信でした。ある程度、予想はしていたものの、ここまでひどい状態になっているとは・・・。まさに「政党不信、ここに極まれりか」と。

 今回の選挙は組織にはまったく頼らず、よくいえばボランティア選挙、悪くいえば素人選挙で戦い、初めは不協和音も出て「この先どうなることやら」と思いましたけど、口コミの凄さというか、特に主婦の皆さんの口コミというのは凄いものです。
 実際、私は通産省の出身ですけど、通産省には何もお願いしなかったし、業界団体の長といわれる人にー回も挨拶に行きませんでしたから。

小泉さんには伝家の宝刀で”政界再編”してもらいたい

 無所属の議員に何ができるのか?という問題は確かにあるんですよ。それでも有権者の多くは、シガラミのない議員を一人でも多く誕生させたいと思ったんじゃないでしょうか。旧来の政党ではどうにもならない政・官・業の利権がらみの構造に嫌気がさして。だから、私に期待していることも明白なんです。一人でも多くシガラミのない議員を結集して、国民本位の新しい政治の流れをつくる”政界再編”の起爆剤になってほしいと。
 ただ、自民党が分裂しない限り、政界再編はありえないですからね。じゃあいま、この頑迷固陋な政界という岩盤を打ち砕く能力のある政治家は誰か?となると、好むと好まざるとに関わらず、小泉純一郎さんと石原慎太郎さんしかいないわけです。まあ、だいぶ色あせたとはいえ小泉さんには”解散総選挙”という伝家の宝刀を抜いてもらって、きっかけをつくってもらいたいんです。さもなくば、石原さんが、周辺でいわれているような超タカ派の”石原新党”をつくってくれれば、その反動・反作用でリベラル集団もできて”政界再編”の大きなうねりが起きるでしょう。
 その大波がくる前に、一人でも多くの同志と一緒に波乗りができるように準備をしておくのが、いまの私の仕事なんです。政策理念(国民本位)という背骨を一本通して、自民党の人だろうと民主党の人であろうと、思いを同じくする人とどうやったら手を結ぶことができるか?それには時間がかかっても、互いに意見を交換しながらつくっていくしかないんですよ。
 90年代の政界再編がことごとく失敗したのは、なぜか?結局は数を頼んだ数合わせの野合でしかなかったからです。細川政権は8党連立でしたし、私が秘書官を務めた橋本政権も自・社・さ(さきがけ)の連立政権で、自民党と社会党がくっつくなんていう超ウルトラCみたいなことをやったじゃないですか。ただ、数がほしいばっかりに。
 実際、いまの政党を見ても、自民党と民主党との違いって分かります?ほとんど違いがわからないような”ごった煮”状態じゃないですか。まして、いくら数合わせといっても、土井たか子さんと小沢一郎さんが一緒の選挙カーに乗って、同じ候補者を応援するなんて、あまりにも気持ち悪いというか、どう考えても理解できないじゃないですか。
 昨年末の民主党のゴタゴタ騒ぎも、要は理念・政策軸で一緒になっていないからでしょう。もう、そういうのに国民は辟易してるんですよ。もっと具体的にいうと、菅さんには旧社会党系の人とか労組の人は全部切ってほしい。そうすれば自民党の対立軸として政界再編の大きな柱にもなれるんですから。

反小泉派が石原氏と組む

いくら小泉さんの支持率が40パーセントを切ったとしても、ポスト小泉に誰がなるのか?いま畷かれている誰がなったとしても、支持率は10パーセント、いいとこ15パーセントにしかならないでしょう。はたして、これで選挙が戦えるのか?
  自民党の議員というのは、選挙がすべてというか、軟体動物みたいなところがあって、選挙に勝つには「たとえ支持率が低くなっても、まだ小泉のほうがましだ」となって、続投になるだろうと。
  結局、来年の衆参同日選の近くになって、やっと解散でしょうね。確かに、政界再編のためには早い解散のほうがいいんですけど、もうこの流れは押さえきれませんよ。解散がなくとも、自民党は9月に天王山を迎えるわけですから。  小泉さんが続投となったときに、反小泉派の人たちは離党するのか?逆に、小泉さん以外の人が総裁になったとしたら、「これじゃ選挙に勝てない」という人たちがどこかとツルむでしょうし、もしかしたら石原さんと絡むかもしれない。
 国会議員というのは、お尻に火がつくと必ず起き上がりますから。民主党にしても瓦解するプロセスをどんどん辿っているし、いずれにしても今年は激動、流動化の年ですよ。この機会に、僕としては政党「さきがけ」の良質的なところを復活させたいんです。
  リベラル、小さな政府というのを柱に、民主党からはもちろん、自民党からも比較的シガラミのない人たちを結集して、最初は30人でも50人でもいいんですよ。いい候補者を立てながら選挙を経ていけば、必ず倍増、3倍増ぐらいにはなっていくと確信していますから。
  もう都市部だけではなくて、地方にも爆発寸前の不満マグマが溜まりにたまっていますから。政界再編も、この1、2年が勝負だと思っています。それぐらいのスピードでいかないと、この国の再生はないでしょうし…、そのときには見切りをつけます(笑)。

勉強嫌いのつけがいま総理に回ってきている

 平成10年7月、橋本内閣の総辞職と同時に、通産省には戻らず、総理秘書官として職を辞したわけですけど、なぜ辞めたか?一言でいうと、なかば日本という国を見限ったからです。だって霞ヶ関(官僚)は縦割り行政に終始し、セクショナリズム、省益、組織防衛だけでしょう。要するに、もう、日本のグランドデザインを描けるところではなくなった以上、いてもしょうがないと。
 一方、政治のほうはというと、鈴木宗男的な口利き、利権という構造から脱脚できないでいるじゃないですか。平気で嘘つく人も多いしね。
 でも、その政治家を選んだのは誰か?やっぱり、国民が悪いと。だから、もうこの国のことは考えずに、自分のために生きようと思ったんです。22歳で通産省に入ってからはサービス残業の連続だったし、通産大臣秘書官、総理秘書官時代の4年間は文字通り土、日もなかったですし……、口幅ったい言い方をすれば、十分にお国のために身をささげたと。
 そこでハワイに放浪の旅に出たんです、プータローのまま。その間、橋本内閣時代の日記や手帳を整理しながら原稿を書いていて、1年後、本にしようと日本に戻ったら、ある自民党の代議士に説得されましてね。この世界に戻ることになったんです。1年も経つと、心身ともにリフレッシュされていましたから。少なくとも、官僚時代の反面教師的なことが、これからの政治に活かせることができるんじゃないかと。
 官邸に居ると、政治のことがよく見えるし、はっきりいって自民党の8割は抵抗勢力だと、僕は思っています。それに対して小泉さんは得手不得手が極端すぎるというか、ここにきて”勉強嫌い”のツケが回ってきてますよね。
 だから、竹中さんが「白だ」というと「白」といい、財務省の役人が「いや、黒だ」というと「黒」というように、言う事が猫の目のようにかわってしまうのが小泉さんの一番の問題なんです。
 小渕政権のときは、まだ”ばらまき”だとわかっていたから、いい悪いは別に外国の投資家も逃げずに、それなりに対応できていたんですね。ところが小泉さんは「緊縮だ。構造改革だ」といっておきながら、補正はやるわ、30兆円枠は反古にするわで、みんな、わからなくなっているんですよ。
 不良債権問題でも、竹中さんのハードランディング路線を支持していると思っていたら、いきなりハシゴを外しちゃったりするじゃないですか。
 ペイオフにしても「絶対やる、やる」といっていながら、平気で2年延期しちゃったでしょう。道路公団の問題でもわかるように、もう”丸投げ”では通用しない段階にきているんです。
 税制の抜本改革にしたって、毎年やってている恒例の中の範囲でしょう。経済が上向くには、やっぱり土地や株といったお金が動かないと駄目なんでね。土地税制にしろ、証券税制にしても、思い切った改革が必要なんです。
 たとえば、2、3年は株式譲渡益をタダにするとか。贈与税にしたって、住宅促進のために3000万円まで無税にすればいいんです。
 国民の資産1400兆円の半分700兆はお年寄りが持っていて、そのうちの400兆は貯金や、タンスの中に寝かせているわけですから。
 もし、住宅のために3000万円まで贈与しても税金がかからないとなったら、可愛い子供や孫のためにマンションを買ってやったり、家を建ててくれる人がたくさん出てきますって。
 住宅というのは、建材や建築会社だけではなくて、家電製品やカーペット、カーテンといったものも必要となるだけに、その経済的な波及効果は大きい。さすがに、政府も年末の税制改正でこの点は認めましたが。

7〜8%の成長は見込める

 いまの日本がなぜ良くならないのか?というと、血管には悪玉コレステロールが溜まっていて、手足はロープでがんじがらめに縛られているからです。悪玉コレステロールとは、いうまでもなく不良債権です。心臓のポンプにあたる日銀が、金融を緩和して金を流そうとしても毛細血管まで届かないわけです。
 ロープというのは政府の規制のことですが、10年前に携帯電語の規制をはずして売り切り制にしたら、なんと10兆円もの需要が生まれたんですよ。一銭のお金もかけずに規制をちょっといじっただけで。つまり、規制を緩和ではなく、撤廃すればもっともっと民間の活力を生むことができるということなんです。
 だって、10兆円クラスの需要を生むアイディアを3つか4つ出せば、7〜8パーセントの経済成長につながるんですから。試しに、僕のような若手の政治家とか官僚を集めて、1週間、ホテルにカンヅメしてごらんなさいな。いくらでも経済を刺激するタマは出てきますって。基本的に、この日本という国には力があるんですから。



移動はもっぱら電車。この日も成蹊大学のある東京・吉祥寺から中央線に乗り込んで・・・ 「日本評価学会」の帰り際、学生さんが「選挙区なんです」と。「それは大切にしなくっちゃね」と氏 「何かひと言」と求められたときに、必ず書く言葉は“夢”。日本の将来のために
自他共に認める大のラーメン好き。吉祥寺まで来たついでに、学生時代に通ったという荻窪の有名店「春木屋」さんを二十数年ぶりに訪れた。このあと近くの「丸福」さんもはしご・・・「今度いつ来るかわからないから」
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