| まず、予算の無駄を省き(財政構造改革)、行政の無駄を省き(行政改革)、そうでなくとも、高齢化に伴い増加していく国民の負担をなるべく押さえていかなければなりません。
私が政権にいた時、このような問題意識から、これらの課題に一生懸命取り組みましたが、不幸なことに、金融破綻や、それに続く不況の嵐で途中頓挫してしまいました。しかし、これらの問題は、もう、どうすべきか議論する段階ではなく、もうやるしかないという実行の段階なのです。政治家の気概、リーダーシップが一番問われる領域です。
財政構造改革では、単なる「改革」ではなく「構造改革」という文字が示しているように、財務省流のやみくもな歳出削減ではなく、日本の将来を見据えて「歳出の構造」をメリハリをつけて見直して行くことが必要です。伸ばすものは伸ばす、減らすものは減らすということです。
その点、今凍結されている「財政構造改革法」はタイミングの問題はあったにせよ、その内容、手法には学ぶ点が多々あります。それは、シーリング制度により一律削減で来た予算編成手法(政治的に容易いからです)を、費目毎に、日本の将来を見据えて増減させたのです。将来の基盤投資である科学技術は厳しい財政事情の中でも前年度比5%増、高齢化の進展で当然増も嵩む社会保障費はやりくりして3,000億円増、防衛費は前年並み、無駄や非効率が指摘される公共事業は▲7%減、本来重要だが今は我慢してODA(政府開発援助)は▲10%減というように。政治的には極めて困難な作業でしたし、それを初めて法制化したという意味で歴史的意味を持つものでした。今後、経済の状況をみながら、今一度、こういう手法で真剣に全予算を洗い直していくべきです。
これまで光が当たっていなかった200兆円を超える特別会計の抜本的見直しも必要です。80兆円そこそこの一般会計には、曲がりなりにも国会や会計検査院、マスコミ等のチェックが入ってきましたが、昨今問題となった社会保険庁のずさんな年金保険料の無駄遣い等は、すべてこのブラックボックスの特別会計にまつわるものです。ここに切り込めば、10兆円、20兆円の財源はすぐにでも出てくるはずはずです。
行政改革では、「国から地方へ」(「地方分権」)、「官から民へ」(「民間委譲・民営化」)そして、更なる「情報公開」という流れをもっと加速していく必要があ
ります。 この点に関連して、2001年1月から、新しい中央省庁(霞ヶ関改革)が始動しました。私が、政権にいた当時、最も情熱を傾けた仕事の一つでした。
この中央省庁の再編には、終始一貫して「機構いじり」等の批判がつきまといました。「規制緩和や地方分権を進め、官民の役割分担を見直せば、おのずから中央組織の行政組織はスリム化する、順序が逆だ」、「情報公開を進め、閉鎖的な行政姿勢、手法を改めることを優先すべきだ」。それはそれで正しいのですが、忘れてはならないのは、そういった改革は、これまでやろうとしても様々な抵抗でなかなか進まなかったという事実なのです。今まで進まなかったものが、理屈を唱えるだけで進むようになるのか。私は、実際の改革現場にいた経験に照らし、本丸を攻めること(ショック療法)が必要だと判断しました。問題は高尚な理屈ではなく、実際に改革が進むことなのです。(もちろん、この本丸改革にも問題点が多々あります。別項で詳論の予定)
ただ、今後は、まさに「国から地方へ」、「官から民へ」を最重要課題として取り組んでいかなければなりません。
まず「地方分権」を本当に進めるためには、税財源の裏打ちが必要です。仕事を地方に下ろすだけではなく、その仕事に見合う税財源も同時に委譲しなければなりません。地方自治体の課税自主権、地方交付税制度の抜本的見直し等国の財政構造にも係わる問題に大きなメスを入れる必要があります。小泉首相が推進した「三位一体改革」はそのための施策でしたが、国の補助金を4兆円減らして、そのうち3兆円を地方に移譲するに止まっており、本当に地方の自立、自主権を確立するためには、より地方の裁量性を重んじた移譲対象の選別と、国の「ひも付き補助金」をなくしていく必要があります。
また、地方自治体の行政能力(組織的、人的能力)、言い換えれば、受け皿能力を飛躍的に高めていく必要があります。単に、地方へ権限やお金をおろしていけば「バラ色」ではないのです。そのため、数千もある市町村を、将来の「道州制」をにらんで、ある程度人為的に広域合併していくべきです(現在は、合併促進により1800程度の市町村となりました)。
「民間委譲・民営化」の次の最大のターゲットは特殊法人や独立行政法人です。財投改革(郵貯・簡保資金等の資金運用部への預託廃止)や国の業務の民間委託等が実施される機会を捉え、現存の特殊法人のや独立行政法人全面見直しが必要です。必要なものもサンセット条項(年限を切って廃止する条項)を挿入する、あるいは、一旦すべて廃止した上でビルド(新設)する、といった荒療治です。特殊法人の陰で増殖してきた財団法人の廃止・統合・新設禁止も必要です。
その意味では、郵政民営化をより完全な形にする、すなわち郵貯限度額の縮小や地域分割、道路公団の完全民営化(国の関与の廃止)、高速道路建設の即刻凍結・路線見直し等も当面の重要課題です。
このような改革を進めるためには、「政治姿勢」のところでも述べましたが、すべての改革をはばむ「政官業の癒着を断つ!!」ことが必要不可欠です。そのためには、私が自ら主張、実践している「企業・団体献金」と「官僚の天下り」の全面禁止が前提となります。
「政治とカネ」の問題は、元から断たなきゃダメ!です。なぜ政治家は口利きをするのか?それは選挙で「カネ」がほしいからです。なぜ官僚は、その族議員と結びついて、既得権益や特殊法人を守るのか?それは自分の天下り先を確保したいからです。ですから、この政治、官僚、業界(政官業)の三角関係、癒着をぶち壊すには、元を断てばいいのです。それが、企業・団体献金、天下りの全面禁止なのです。それが本当の「政治改革」「行政改革ではないでしょうか。
江田けんじは、利益・圧力団体からの支援を一切受けていません。また、企業・ 団体献金も一円たりとも受け取っていません。それは、しがらみのない政治家だけが大胆な改革に切り込めると考えるからです。旧来の政治家がなぜ、たやすく改革の「抵抗勢力」となり果てるのか?それは、改革反対勢力に「票とカネ」の支援を受けているからです。このような政治家に本当の改革はできません。
また「官僚の天下り禁止」も、その原因である「早期勧奨退職制度」(50歳前後から「肩たたき」と称し役所を自発的に辞めさせ、かわりに特殊法人や企業の天下りポストを用意する)を廃止し、定年まで勤め上げていただくことが、官僚の人生設計のために必要です。そして、30年〜40年の役所生活の間にできた自分のツテを頼って再就職するのは自由ですし、それができない人は年金生活に入ればいいのです。とにかく、役所に入れば、70歳まで天下りで生活の面倒をみるという制度は、国民的には受け入れられません。
ただ、江田けんじは「きれいごと」だけを言うつもりはありません。
「政治には悪いことをしなくても普通にカネがかかる」(最近自民、民主若手政治家が公表した額は最低でも年間5,000万円前後)という現実を前提に、現在300億円超ある政党助成金(議員一人あたり年間1,000万円)を2倍にする、そのかわり1円たりとも企業献金が発覚した政治家は即刻首にする、といった方策も考えられますし、「選挙をもっと公営にしカネをかからなくする」、すなわち、選挙期間中(衆議院の場合は12日間)、今は法律で禁止されている公開討論会を4、5回(外交、経済、福祉、教育等をテーマ)役所主催で開く、その結果を地元マスコミで詳細に報道し有権者に情報を提供する、といった方策も考えられます。いずれにせよ「政治とカネ」について国民的議論が必要です。
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