【緊急アピール 第三弾】
「政治家よ、口先だけでなく官僚を御してみよ!」
平成20年9月18日 「官僚国家日本を変える元官僚の会」
今、中央省庁の再編や官邸機能の強化等によりつくられてきた「政治主導」の流れが逆行しつつある。政治の空白、混乱に乗じて、水面下では静かに「永田町から霞ヶ関へ」の政権交代が進行しつつあるのだ。国民が、そしてマスコミが監視すべきは、むしろ、この「静かなる政権交代」ではないか。 一年で二度にわたる、この国のトップによる政権投げ出し。「無責任極まりない」と批判することは簡単だ。しかし、政治は選挙の洗礼を受ける。そこから進化や変化が生まれることをまだ期待もできよう。ところが霞ヶ関には、その洗礼はない。今、起こっていることは、この政治の体たらくをせせら笑い、「政治はダメだ。やはり、我々官僚がしっかりしなければ」と、着々と失地回復のための布石を霞が関が打っていることだ。「政治主導」とは名ばかりの状況が厳然と進行している。 具体例を挙げよう。首相官邸主導として設置された政策推進会議に、それが顕著だ。
| (1) | 「行政減量・効率化有識者会議」は、独立行政法人改革について、雇用能力開発機構の解体もどき(「私のしごと館」の見せ掛け廃止)などで打ち止めとなる可能性が高い。 |
| (2) | 「国家公務員制度改革推進本部」では、財界人など外部有識者を集めた「顧問会議」の開催が、隔月開催になりそうだ。これでは実質的な審議は期待できず、これを放置すれば、事務局官僚主導になることは火を見るより明らかだ。内閣人事局や国家戦略スタッフなど重要な制度設計が官僚の独善になる可能性がある。 |
| (3) | 発足したばかりの「行政支出総点検会議」の、いわゆる「無駄ゼロ」については、特別会計のムダ遣いの洗い出し、福田総理が指示した「公益法人向けの支出3割削減」等の目標が空洞化する可能性が大きい。 |
| (4) | 「厚生労働省行政在り方懇談会」が出した「5つの安心プラン」の目玉である厚生労働省改革についても雲散霧消の可能性もある。「社会保障国民会議」は、この10月に、年金、医療制度等について答申する予定だが、政治指導力抜きでは抜本改革案は到底無理だろう。 |
| (5) | 「消費者行政推進会議」にいたっては、提唱者たる総理が辞任する。その帰趨は予断を許さない。 |
| (6) | 「地方分権改革推進会議」では、この秋に、地方ブロック機関の統廃合が予定されている。既に官僚の抵抗にはすさまじいものがあり、政治のバックアップと国民の監視がなければ頓挫し、道州制への流れも止まるだろう。 |
以上いずれも、官邸官僚と各会議事務局官僚の連携による官僚主導が定着しつつあるということだ。 国政には一刻の猶予も許されない。各種会議は、事務局=官僚主導ではなく、会議の委員主導で進行し、その政策案を提示すべきだ。官僚が答申や報告の原案を書くなどもってのほかだ。また、その際、各種委員の言動にもマスコミや国民の監視を促したい。最近では、いわゆる御用学者だけでなく、財界人をも官僚は取り込み、間違った情報やデータを刷り込み始めている。「有識者」を霞が関がハイジャックしつつあるのだ。 今、自民党総裁選が行われている。また、解散総選挙も近いといわれる。「官僚主導の政治が続く限り、この国の将来はない」との認識の下、どの政権であれ、どんな政治家であれ、官僚をしっかりと御し、かつ官僚の既得権益に切り込める政権、政治家を、我々は、国民とともに、しっかりと見極めていくつもりである。
【緊急アピール 第二弾】
「広く人材を公募せよ!・・・
 公務員制度改革推進本部の事務局人事」
平成20年6月23日 「官僚国家日本を変える元官僚の会」
「公務員制度改革」は、「官僚国家日本」すなわち「官僚主導の政治・行政」を打破し、この国を真に「政治主導」、「国民主導」に変えていくための、極めて重要、かつ大きなステップである。かかる問題意識から、当会としては今後、この改革を最重要課題の一つと位置づけ取り組んでいく方針であるが、現在、以下のような極めて憂慮すべき事態が、政府部内で進行している。 すなわち、公務員制度改革基本法の成立に伴い、「公務員制度改革推進本部」(以下「本部」という。)が設置されることになったが、報道等によれば、その事務局人事をめぐって、「公募派」と「密室人事派」が対立しているという。 特に、官邸の官僚出身幹部らは「公務員、役所の実態を知らない門外漢ではだめ」という理屈を振りかざし、霞ヶ関各府省からの出向で、その思い通りに動く人物を事務局幹部に据えようとしているという。このような霞ヶ関の「お手盛り人事」を認めれば、改革は、その初期段階から頓挫したと評するしかない。 橋本政権時、官邸に置かれた「行政改革会議」(中央省庁の再編を担当)の例をひくまでもなく、今後の本部運営の帰趨を左右するのは、この事務局人事に、いかに外部(民間)人材、改革意欲に富む官僚等を配置できるかにかかっていると言えよう。 特に本部運営に極めて大きな影響を与える事務局長人事は死活的に重要で、橋本改革時も、局長には「非官僚(OBを含む)」を当て、事務局にも効果的に民間人材を配した。また、行政改革会議自体の委員にも、官邸の官僚出身幹部による候補者のリストアップを退け、官僚OBを排除した。 「神(戦略)は細部に宿る」ともいう。こうした事務局人事を軽んじると、今後の内閣人事局の制度設計、各実定法の改正作業等が、官僚主導で行われることは火を見るよりも明らかであろう。 したがって我々は、本部事務局のポストは公募し、政府内外から広く、改革意欲と識見・能力を兼ね備えた人材を求めるべきと強く訴えるものである。そして、事務局長には、官僚への不信感が払拭されない現状においては、「外部(民間)人材」を充てるべきと考える。 なお、本部は、7/11(金)に第一回会合を開催すると聞いている。その前には、事務局人事を固める必要があり、そのためには、公募期間が少なくとも一週間、その後、人物審査と人事の発令等で一週間程度必要と考えれば、今週半ばから公募を開始しても、ギリギリのタイミングと言わなければならない。官邸の官僚出身幹部は、この今週前半をしのげば、「時間切れ→公募なし」となることを密かに期待している。事態は急を要しているのである。 また、一言で「公募」といっても、それが「公募」という名を借りた霞ヶ関による「お手盛り人事」では元の木阿弥だ。各府省の息のかかった、その意向を体する官僚が「改革派」と称して応募してくることは、過去の例からも十分考えられることで、公募による採用にあたっては、行革担当大臣が、その点を厳格に審査すべきである。 真の意味での「公募」を実施するのか、あるいは、霞ヶ関の言いなりの「お手盛り人事」を行うのか。福田内閣が、国民主導の政治・行政を実現するために、本気で公務員制度改革を実行する考えがあるのか否かが、今、真剣に問われている。
【緊急アピール 第一弾】
「官僚諸兄へ・・・率先して自らの身を切れ!」
平成20年6月19日 「官僚国家日本を変える元官僚の会」
世は「官僚バッシング」の時代である。何か官僚でいること自体が「犯罪者」であるかのように扱われ、世間から白い目で見られているのが実情だ。思えば、10年前の大蔵・金融スキャンダル、小泉政権時の外務省スキャンダル、そして、昨今の社会保険庁、防衛省、国土交通省等を巡るスキャンダル等々、官僚がバッシングされるには十分すぎるほどの理由がある。まさに官僚の「自業自得」、元官僚である我々としても、その責任の一端が自身にもあったのではないかと自戒する日々である。 また、行政改革が叫ばれるたびに、それを骨抜きにしようと画策する霞が関、官僚の姿も明らかにされる。本来、「公僕」であるはずの官僚が、ひたすら組織防衛に走り、許認可権限や補助金等の既得権益を擁護し、天下り先確保に汲々とする。そしてメディアでは連日、「税金の無駄遣い」が具体的事例をもって縷々報道される。霞が関、官僚への国民の信頼は、今まさに地に落ちたと言うべきであろう。 霞が関、官僚は、こうした自らを取り巻く、この厳しい現実に真摯に向き合うべきである。そして、自発的に、内在的に、自らの身を厳しく律し、身を切る覚悟を示さない限り、決して、国民の信頼を回復することはできないであろう。そのことを改めて肝に銘ずべきだ。 したがって、まず官僚は、国民怨嗟の的である、税金の無駄遣いの元凶、すなわち「天下り」を自ら全面禁止すべきである。予算や権限をバックとする、役所の斡旋による再就職の押し付けなど論外だ。再就職したければ自力で行けばいいし、それができないのなら定年まで務め年金生活に入ればいい。加えて、特別会計における「埋蔵金」や目的外流用、談合をはじめとした一切の税金の無駄遣いを、一刻も早く一掃すべきだ。 我々は、こうした「天下りの全面禁止」や「税金の無駄遣いの一掃」を、第三者、すなわち、政治家やメディア等に指摘されるまでもなく、霞ヶ関自らが率先して打ち出すべきだと考える。このままでは、いくら官僚、特に若手官僚が、法案作成作業等で連日の徹夜残業を強いられようが一生浮かばれないだろう。霞が関、官僚はそこまで追い込まれている。 天下りを禁止すれば霞が関に優秀な人材が集まらなくなると言う人もいる。しかし、何も我々は、「天下り」をしたいと思って役所に入ったわけではない。極々例外的な「不逞の輩」は別として、少しでも国家、国民のために役立ちたいと思う、その一心で役所に入ったはずだ。今でも、大部分の官僚はそうだと我々は信じている。官僚バッシングが続き「誇り」の持てない職場に、今後、優秀な人材が集うはずもない。そのためにも国民の信頼回復しか道はないのだ。 我々は、明治維新以来、営々と築き上げてきた「中央集権国家」を、今こそ解体すべき時が来たと考える。中央から地方へ、真の「分権改革」実現のため、組織、人、権限、財源等あらゆる行政資源を地方に移譲していく。それは必然として「霞が関のスリム化」、いや「霞が関の解体」にまでつながっていくものとなるだろう。しかし、霞が関、官僚は、それを時代の使命と認識し、この国の将来のために、積極果敢にそれを断行、先取りしていく姿勢こそが求められているのだ。我々は、そのような「内からの革命」に身を投ずる現役革新官僚がいるなら、彼らと連携し、その支援も惜しまないつもりだ。 霞が関、すなわち行政府の士気が落ち、機能不全になれば、それ自体が「無用の長物」化し、国民にとって壮大な「税金の無駄遣い」ともなるだろう。そのことに思いをいたし、我々は今後、あらゆる機会を通じて、「公僕たる官僚」への脱皮、「国民本位の霞が関」への変革に向けて、具体的な行動を起こしていく決意である。現役官僚諸兄の覚醒、特に若手官僚の決起を、ここに強く促すものである。 |