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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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なぜ率先しないのか!?・・・菅政権

2010年8月16日  tag: ,

 菅直人氏が首相になってから、野党時代の切れ味がない。「消費税発言」に懲りたのか、代表選に向けて波風を立てたくないのか、安全運転で長期政権を目指そうという魂胆が見え隠れする。

 しかし、本当に長期政権にしたいのなら、リスクをとることを恐れてはだめだ、良くも悪くも小泉政権が5年以上続いたのは「郵政民営化」「郵政解散」という一世一代の賭けに踏み切ったからだ。

 菅さんをよく知る人からすると、鳩山政権当時の猫をかぶった「大人しい菅直人」は、総理になるための便法にすぎないと理解していたところがあった。何はともあれ、総理にならなければ自分の思いを達成することなどできないのだから、菅さんは隠忍自重して「小沢さんにもモノを言わないのだろう」等々と勝手に解釈していた。

 だから、そういう「菅信奉者」は、いよいよ菅さんが総理になった時、私にこう言ったものだ。「菅は総理になったら思い切ったことをするぞ。覚悟しておいた方が良い」。

 それが「消費税増税発言」だったかどうかはわからない。しかし、今の菅首相は、その「思い切ったことをする総理」とは程遠い。

 私が8月3日の予算委員会で「盗人猛々しい」との発言をあえてしたのも、多分に、この菅信奉者の「イライラ」を代弁してのことだ。なぜ、政権与党たる民主党が、国会で主導権を持つ最大多数の政党が、率先して、国民に約束したマニフェストを実現しようとしないのか。

 我々みんなの党が音頭をとって実現した議員歳費の「日割り自主返上法」しかり、歳費そのものの削減法案しかり、政治腐敗の元、企業団体献金の廃止法案しかり。臨時国会初日に、わざわざ異例の記者会見まで開いて「議員定数の削減」まで「指示」した首相である以上、この程度のことは、みんなの党に言われるまでもなく、率先して提案し各党に諮るべきだろう。

 にもかかわらず、嫌みたっぷりに「みんなの党も躍進されて、参院では法案提出権も得たのだから、どうぞ提案されれば良いでしょう」という消極的な首相発言。我々は小党ながら、歳費の削減法案(給与3割・賞与5割カット)、日割り法案を、この短い臨時会にも提出しているのに、その会期を短くした張本人の民主党政権のトップが、自らマニフェストで約束していることをやらない、提案すらしてこない。この体たらくに思わず「盗人猛々しいとはこのことだ」との発言が出た。

 この「暴言?」には賛否両論があった。「よく言ってくれた」「スカッとした」「みんなの党に投票してよかった」。一方で「いやしくも一国の総理に言う発言としては不適当」「もっと品格をもって議論してほしい」等々。ただ、みんなの党HPへの投稿等での反応を集計すると、9:1で圧倒的に「お褒めの言葉」が多かった。

 「盗人猛々しい」とは、「自分の非をとがめられて、逆に開き直る様をいう」。そういう意味では、誤った語法を使った覚えはないが、あえて、そういう表現を使わなくても議論の目的は達成できたという意味では、江田には珍しい「暴言?」だったのかもしれない。

 しかし、橋本政権の厚生大臣と総理秘書官という関係が発端で、ここ十数年来、節目節目にこの国の政治の将来を議論し、私も少なからず期待していた政治家だっただけに、その裏返しの気持ちで、思わず、その失望感から発した言葉と理解していただければ幸いである。

 話を戻そう。今の菅首相には、総理になって何をしようという気概が感じられない。菅さんから「脱官僚」「官僚政治の打破」をとったら何が残るのか。いや、それどころか、霞が関、特に財務官僚に丸めこまれているとしか考えられないような状況が続いている。

 確かに、政権維持のために、この国の陰の支配者、最強の権力官庁たる財務省と二人三脚で行こうというのは、為政者が思いつく一つの浅知恵ではある。しかし今の時代、こうした政権が長く続くことはないだろう。

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