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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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第5弾 官僚の天下り禁止にについて小泉首相に公開質問状、及び、その答弁書

2006年5月30日 国会活動 | 活動報告 tag: , ,

官僚の天下り禁止に関する質問主意書

 税金の無駄遣いへの批判をはじめ、いわゆる「官僚バッシング」が続く中、国民の、役所あるいは官僚への信頼を取り戻すためには、もはや官僚自らが「天下りの禁止」を打ち出すしか道はないと考える。よって以下質問する。

一 、
 官僚(国家公務員。以下同じ)の天下りの全面禁止がなぜできないのか?
 ここで「全面禁止」とは、現行制度のような制限規定、すなわち期間(二年)を限定した利害関係先への天下りの禁止(その期間内でも人事院の認可により許容)ではなく、ありとあらゆる天下りの禁止をいう。

二 、
 憲法が保障する「職業選択の自由」とは何か?

三 、
 官僚の天下りの全面禁止が、なぜ「職業選択の自由」に反するのか?

四 、
 官僚組織の中、また政権の中枢にいた者として、極めて一部の例外を除き、これまでの天下りの実態が、事務次官や官房長、人事(秘書)課長等を中心とした「仲介・斡旋」による、関係業界、企業、団体、組織(以下「関係業界等」という。)へのそれであることは明らかであると認識している。こうした認識を政府としても共有しているか?

五 、
 真の意味で、退職する当該官僚の意思と、受け入れ先の関係業界等先の意思が個別に合致して転職する場合を除き、四で述べた「仲介・斡旋」による、半ば強制的組織的な天下りに限って禁止することは、「職業選択の自由」に反すると考えるか?
 その他かかる天下りを法的に禁止することに何らかの問題があると考えるか?

六 、
 いわゆる「早期退職勧奨制度」とは何か。これを廃止することに、どんな問題点があるのか?

七 、
 政府は「早期退職慣行の是正」について、小泉首相の指示により閣僚懇談会で申合わせ(平成14年12月)を行っている。そこでは勧奨退職年齢を「平成15年~19年度の5年間にかけて段階的に引き上げ」「平成20年度には原則として現状と比べて」「3歳以上高くすることを目標とする」とされているが、現時点での年度別進捗状況如何。また目標達成の見通し如何。

八 、
 小泉首相は、今年に入っても累次にわたって国会審議の場で、官僚の天下りにつながる早期退職勧奨制度について「できれば定年まで働けるようにするのが、あるべき望ましい姿だ」等廃止へ向けた考えを示しているが、政府としての今後の取組如何。八でふれた「閣僚懇談会申合せ」以上の対応をする考えがあるのか?

    右質問する。


官僚の天下り禁止に関する質問主意書 に対する 答弁書

内閣衆質164第283号
平成18年6月6日
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
官僚の天下り禁止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員江田憲司君提出
官僚の天下り禁止に関する質問に対する答弁書

一から三までについて
 憲法第22条第1項が保障する「職業選択の自由」とは、自己の従事する職業を選択し、その職業を遂行する自由をいうと解している。
 国家公務員の再就職についての国家公務員法(昭和22年法律第120号)第103条第2項及び第3項の規定による制限は、公務の公正な執行の確保の観点から設けられているものであるが、「職業選択の自由」は、退職した国家公務員を含め、すべての国民に保障されている基本的人権の一つであるから、公共の福祉のためにこれを制限する場合であっても、その内容は必要かつ合理的な範囲内にとどまらなければならない。御指摘の「天下りの全面禁止」が国家公務員の再就職をおよそ一切禁止することを意味するものであるとすれば、現行国家公務員法の制限を大きく超えるものであり、目的達成のために必要かつ合理的な範囲内のものといえるかどうか疑問がある。

四及び五について
 各府省における国家公務員の再就職のあっせん、仲介等(企業、団体等からの要請に基づき職員に当該企業、団体等を再就職先として紹介すること等各府省がその職員の再就職について何らかの関与をすることをいう。以下同じ。)については、職員の在職中の職務の公正な執行を確保するとともに、職員が在職中に培った経験や能力に対する企業、団体等の需要にこたえる等の観点から、必要に応じて行われているものと認識しており、適正に行われる限り、別段問題はないと考えている。
 あっせん、仲介等による国家公務員の再就職を禁止することは、職業選択の自由との関係や職員が在職中に培った経験や能力の有効な活用等の観点を考慮し、慎重に検討する必要があると考える。

六について
 「早期退職勧奨制度」の意味が必ずしも明らかではないが、各府省において、国家公務員が定年前に勧奨を受けて退職し、後進に道を譲るといういわゆる早期退職の慣行がある。これは国家公務員の新陳代謝を通じて組織の活性化を図る等の観点から行われているものであり、これを直ちに廃止することについては慎重な検討が必要であると考えるが、国家公務員が公務内において、できるだけ長期に勤務できるようにする等の観点から、早期退職慣行を是正する取組を進めているところである。

七について
 国家公務員採用Ⅰ種試験(これに相当する正規の試験を含む。)に合格し、幹部職員として退職した者の各期間における平均の勧奨退職年齢は、次のとおりである。
 平成13年8月16日から平成14年8月15日までの間 54.4歳
 平成14年8月16日から平成15年8月15日までの間 54.8歳
 平成15年8月16日から平成16年8月15日までの間 55.3歳
 平成16年8月16日から平成17年8月15日までの間 55.8歳

 平均の勧奨退職年齢については、これまで1.4歳引き上げたところであり、引き続き、目標達成に向けて取り組んでまいりたい。

八について
 国家公務員の早期退職慣行を是正し、国家公務員の定年までの職務を可能とすることについては、「早期退職慣行の是正について」(平成14年12月17日閣僚懇談会申合せ)に基づく現在の取組を進めつつ、国家公務員への有能な人材の確保や官民の人材交流の状況を考慮しながら、公務員人事の在り方全体を見直す中で検討してまいりたい。

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