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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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第33弾 インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する質問主意書、及び、その答弁書

2007年9月27日 国会活動 | 活動報告 tag:

インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する質問主意書

一 、
パキスタン海軍の保有艦船の総数と種別毎の隻数を答えられたい。
二 、
 そのうち「不朽の自由作戦」の「海上阻止行動」(OEF-MIO)に参加しているパキスタン艦船は1隻と承知しているが、正しいか。その種別は。
三 、
 そのパキスタン艦船1隻は、「ROYAL NAVY」、すなわち英国海軍からの払い下げの艦船と承知しているが、正しいか。
四 、
 パキスタン海軍は、独自に補給艦を有していると承知しているが、正しいか。それは何隻か。
五 、
 米第五艦隊のホームページにも明示されていたように、日本の補給艦が給油している油は「F76」であり、これは「欧米諸国の艦船で使用されているNATO規格の油」である。「日本の補給艦の油でなければパキスタン艦船は動かない」という趣旨の発言を、シーファー米大使や外務事務次官等の政府要人がしているが、日本政府の見解如何。なぜ、米英とともに、日本も同じ油を補給しているのに、このような発言が出るのか。
六 、
 この点に関し、谷内正太郎外務事務次官は、平成19年9月10日の記者会見において「パキスタンの海軍の船と自衛隊の自衛艦が供給する油、これは自動車で言えばハイオクを使わなくてはならないという関係にある訳で、これを提供するのは今、自衛隊の補給艦しかないという状況です。従って、それを使えなくなると実際問題として行動が非常に難しくなる、空白期間が生じかねないという状況にあると聞いております。そのような意味では、パキスタンの参加を継続して頂くためにも自衛隊の自衛艦による補給は非常に重要であると思っております。」と発言した。この発言につき、以下質問する。
 
(1)
 およそ事務次官が公の場で発言する以上、それなりの根拠をもって発言するものと承知しているところ、事務次官が、パキスタン船が「自動車で言えばハイオクを使わなくてはならない」と判断するに至った根拠を述べられたい。給油実態をどう精査した上での発言だったのか。
(2)
 この発言と同様の発言を、その数日前、いくつかの機会にシーファー米大使がしているが(「パキスタン海軍の駆逐艦は高品質な油が必要だ。日本が参加しなければ、米国だけでなく、パキスタンが活動を続けられるかということに影響を与える」等)、この米国の言い方をそのまま「受け売り」したのではないのか。
(3)
 この事務次官発言の直後(9月11日)、吉川栄治・海上幕僚長は記者会見で、日本の燃料でなければパキスタンの艦船が動かないかどうかについて訊かれ、「それは(動かないことは)ないと思う」と否定し、米国など日本以外の参加国による補給の代替も「基本的には可能だ」「燃料清浄器は普通であれば(他国の補給艦も)つけている」と答えた。この発言に対する外務事務次官の見解如何。
(4)
 以上の答弁を踏まえて、なぜパキスタン艦船への補給が、日本の自衛隊の補給艦でなければならないかについて、あらためて外務事務次官の見解を問う。
(5)
 国民に対し、誤った情報を提供し、誤解を与えたとすれば、外務事務次官は、公の場で訂正をすべきと考えるが、政府の見解如何。

    右質問する。


インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する質問主意書に対する 答弁書

内閣衆質168 第57号
平成19年10月5日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員江田憲司君提出
インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する質問に対する答弁書

一について
 パキスタン海軍は、潜水艦5隻(うち1隻は建造中。)、フリゲート艦7隻、掃海艇3隻、哨戒艇6隻、補助艦9隻を保有していると承知している。

二について
 フリゲート艦1隻が不朽の自由作戦の海上阻止活動に参加していると承知している。

三について
御指摘の艦船は、英国海軍から取得したものであると承知している。

四について
 パキスタン海軍は、補助艦として外洋航海用補給艦を4隻保有しており、そのうち洋上補給が可能である補給艦は2隻だけであると承知している。

五及び六について
 御指摘の米大使の発言の内容の詳細について政府としてお答えする立場にはないが、パキスタンの艦船については、純度の高い燃料が必要であると承知しており、海上自衛隊の補給艦は、自艦に装備している燃料清浄こしを使用して清浄した燃料を提供しているところである。また、パキスタンのムシャラフ大統領は、我が国の補給活動はテロとの闘いを継続する上で不可欠である旨述べており、我が国からの給油が、パキスタンの艦船が海上阻止活動に参加する上で重要な要素となっていることは確かであると認識している。gp指摘の谷内外務事務次官の発言もこのような認識に基づいたものであると承知している。


インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する再質問主意書

 先に提出した、「インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する質問主意書」に対する答弁書(以下「答弁書」という。)を踏まえ、以下の点につき、再度質問する。

 答弁書五及び六において、「パキスタンの艦船については、純度の高い燃料が必要であると承知しており、海上自衛隊の補給艦は、自艦に装備している燃料清浄こしを使用して清浄した燃料を提供しているところである」「御指摘の谷内外務事務次官の発言もこのような認識に基づいたものであると承知している」としているが、
一 、
 補給艦が燃料清浄器を装備しているのは、海上自衛隊の補給艦だけか。米国、英国の補給艦は清浄器を装備していないのか。既に吉川栄治海上幕僚長が平成19年9月11日の記者会見で「(普通であれば)他の国の補給艦にも清浄器はある」と明らかにしているし、米国の補給艦の方が海上自衛隊より格段性能の良い清浄器を有していることも自明の事実である。あらためて、政府の認識を問う。

二 、
 谷内正太郎外務事務次官は、平成19年9月10日の記者会見において「パキスタンの海軍の船と自衛隊の自衛艦が供給する油、これは自動車で言えばハイオクを使わなくてはならない」と発言した。しかし、先の答弁書(平成19年10月2日閣議決定・内閣衆質168第36号「「米海軍中央司令部&第五艦隊」のホームページに関する質問に対する答弁書」)で政府も認めたように、海上自衛隊の補給艦が給油する油も、米英等NATO諸国が使用している「F-76」である。
 およそ事務次官が公の場で発言する以上、それなりの根拠をもって発言するものと承知しているところ、事務次官が、パキスタン船が「自動車で言えばハイオクを使わなくてはならない」と判断するに至った根拠を述べられたい。給油実態をどう精査した上での発言だったのか。再度質問する。

三 、
 谷内外務事務次官の発言は、国政の重要課題について、国民の判断を惑わす、誤った情報を提供したという意味で、極めて不適切な発言である。よって以下質問する。
 
(1)
谷内外務事務次官は、改めて、速やかに公の場で自らの発言の訂正と謝罪をすべきと考えるがいかがか。
(2)
谷内外務事務次官の責任を、政府はどう国民の前で明らかにしていくのか。

四 、
 以上を踏まえ、あらためて、パキスタン艦船への給油が、海上自衛隊の補給艦でなければならない理由について、政府の見解を問う。

    右質問する。


インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する再質問主意書に対する 答弁書

内閣衆質168第108号
平成19年10月19日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員江田憲司君提出
インド洋上におけるパキスタン艦船への補給に関する再質問に対する
答弁書

一について
 他国の艦船の構造に係る事項については、詳細が明らかにされているわけではないが、燃料を自艦のエンジンに供給する前に清浄するためのいわゆる燃料清浄器は、艦船の構造上一般に設けられている装置であり、その性能の違いは別として、米国及び英国の補給艦も保有していると考えられる。

二から四までについて
 他国の事情の詳細について承知しているわけではないが、先の答弁書(平成19年10月5日内閣衆質168第57号)五及び六についてでお答えしたとおり、パキスタンの艦船については、純度の高い燃料が必要であると承知しており、このため、海上自衛隊の補給艦は、自艦のエンジンに供給する前に清浄するために設けられている燃料清浄こしを使用して清浄した燃料をパキスタンの艦船に対して提供しており、また、パキスタンのムシャラフ大統領は、我が国の補給活動はテロとの闘いを継続する上で不可欠である旨述べており、我が国からの給油が、パキスタンの艦船が海上阻止活動に参加する上で重要な要素となっていることは確かであると認識している。
 御指摘の谷内外務事務次官の発言もこのような認識に基づいたものであると承知しており、御指摘のように「極めて不適切な発言」であるとは考えていない。

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