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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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第53弾 後期高齢者医療制度の実態調査速報と、問題点等に関する質問主意書、及び、その答弁書

2008年6月 5日 国会活動 | 活動報告 tag: , ,

後期高齢者医療制度の実態調査、問題点等に関する質問主意書

一、
 先に提出した「後期高齢者医療制度の問題点の点検並びに実態調査に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣衆質169第350号)によれば、「お尋ねの実態調査は、被保険者の保険料負担に係る各市町村の傾向並びに被保険者に被保険者証が届いていない事案や、保険料の年金からの特別徴収の方法による徴収に係る事務手続に誤りがあった事案が生じたこと等の運用面の問題に係る要因及びその対応状況等について調査を行うもの」とされている。よって以下の項目について、その調査結果を明らかにされたい。
 
(1)
 後期高齢者医療制度の保険証が被保険者本人に届いていない事例数と対処状況。その要因。
(2)  本年4月から、全国で年金から保険料を天引きされた被保険者数とその保険料総額。
(3)  本来徴収すべき保険料よりも、過大な保険料を年金から天引きしてしまった件数と過大徴収された保険料総額。その要因。
(4)  本来の保険料よりも、過少な保険料を年金から天引きしてしまった件数と不足した保険料総額。その要因。
(5)  本年4月からの年金天引きが間に合わなかった自治体数と全体に占める割合。その要因。
(6)  保険料の負担軽減措置として、公費を投入している広域連合とその投入額。
二 、
 厚生労働省は6月4日に「後期高齢者医療制度の創設に伴う保険料額の変化に関する調査」(以下「本調査」という。)の結果速報を公表した。よって以下質問する。
 
(1)
 本調査の結果によれば、市町村国民健康保険に加入していた世帯に限って言えば、約7割の世帯について、後期高齢者医療制度への加入により保険料が減額されたとしているが、調査対象を後期高齢者医療制度加入者全世帯として試算した場合、減額した世帯は何割あり、その平均減少額はいくらになるのか。また、同じく増額した世帯は何割あり、その平均増加額はいくらになるのか、
(2)  これまで厚生労働省は、後期高齢者医療制度への加入により、低所得の後期高齢者の負担は軽減され、高所得者は負担が増えると説明してきたが、今回の調査では、年金収入177万円未満の低所得世帯ほど保険料負担が増えた割合が高く、年金収入292万円以上の高所得世帯の約8割は負担が減る等その逆の結果が出ている。その整合性ある説明を国民にどう行っていくのか。
三 、
 報道によれば、5月30日の記者会見において、舛添厚生労働大臣は「本当に困っている方々に、どういう手当てをするかが改善策のポイントになる」と述べている。よって以下質問する。
 
(1)
 二の(2)の低所得者ほど保険料負担増の割合が高いという不当な現状を具体的にどう是正していくのか。
(2)  これまで資力不足や病気等の理由により子ども等の扶養に入っていた後期高齢者が、新たに後期高齢者医療制度に加入することによって生じる負担を如何に軽減していくのか。具体的方策について問う。
四 、
 政府はこれまで、後期高齢者医療制度の導入は「お年寄りにも応分の負担をお願いして、若者の負担が加重にならないようするため」と制度改正の趣旨を説明してきたが、先に提出した「後期高齢者医療制度の支援金に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣衆質169第351号)では、大企業のサラリーマンが加入する健康保険組合の負担増が新制度導入により約940億円にのぼるとされる一方、自営業、無職等が加入する国民健康保険の負担は約5378億円軽減されるとしている。さらに政府が今国会に提出している健康保険特例措置法案では、政府管掌健康保険の国庫負担を健保組合に肩代わり(750億円)させることにもなっている。
 したがって、むしろ後期高齢者医療制度の導入は、大企業のサラリーマンの負担増で後期高齢者の医療費や国民健康保険の赤字等を賄おうとするものではないか。政府の見解如何。

    右質問する。


後期高齢者医療制度の実態調査、問題点等に関する質問主意書に対する答弁書

内閣衆質169 第479号
平成20年6月13日
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議長 河野洋平
衆議院議員江田憲司君提出
後期高齢者医療制度の実態調査、問題点等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員江田憲司君提出
後期高齢者医療制度の実態調査、問題点等に関する質問に対する答弁書

一の(1)について
 お尋ねの事例数について、平成20年4月9日及び6月5日の時点において各都道府県の後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)が把握している件数を集計したところ、平成20年4月9日時点では全国で6万3468件であり、6月5日時点では全国で4585件である。被保険者証が届いていない被保険者に対しては、市町村等の職員が電話連絡や訪問を行うとともに、自治会や民生委員等の協力を得て所在を確認するなどの対応が採られている。また、お尋ねの要因については、このような対応をとっても、なお連絡が取れない場合があったこと等である。

一の(2)について
 本年4月に後期高齢者医療の保険料を特別徴収の方法により徴収された被保険者数は約832万人であり、その総額は約866億509万円である。

一の(3)及び(4)について
 お尋ねの後期高齢者医療の被保険者から保険料額を過大に徴収した件数は3650件であり、その総額は約3338万円である。また、保険料額を過少に徴収した件数は2万5258件であり、その総額は約1億1855万円である。なお、誤った額を徴収した要因としては、市町村において被保険者の情報を保険料徴収の事務処理システムに入力する際に誤った情報を入力したこと、当該システムの保険料算定に係るプログラムに誤りがあったこと等がある。

一の(5)について
 本年4月に後期高齢者医療の保険料を特別徴収の方法により徴収していない市町村(人口が少ない等の理由により、特別徴収の方法により徴収しなかった市町村を含む。)の数は31であり、全市町村数に占める割合は約1.7パーセントである。また、お尋ねの要因としては、特別徴収導入に向けた事務処理システムの改修に時間を要したこと等がある。

一の(6)について
 厚生労働省において各広域連合における状況を調査したところ、市町村又は都道府県から補助を受けて保険料額の軽減を行った広域連合は、平成20年4月30 日現在、東京都、石川県、京都府、及び岡山県の4都道府県の広域連合である。なお、東京都の広域連合は保険料の軽減のために7億円の補助を受けているが、石川県、京都府及び岡山県の広域連合については、市町村又は都道府県からの補助を保険料の軽減以外にも充てており、保険料額の軽減に充てられた額については把握していない。

二の(1)について
お尋ねの試算は行っておらず、いずれについてもお答えすることは困難である。

二の(2)について
 これまで、厚生労働省においては、国民健康保険から後期高齢者医療に移行する場合において、国民健康保険の保険料(地方税法(昭和25年法律第226号)の規定による国民健康保険税を含む。以下同じ。)の計算方法や医療費の水準が市町村ごとに異なるため単純な比較は難しいことから、国民健康保険について、約8割の市町村が採用し、最も多くの国民健康保険の被保険者に係る保険料の算定に用いられている方式に着目し、当該方式を採用する市町村における保険料率の平均値を用いることにより、国民健康保険の保険料から後期高齢者医療の保険料への代表的な変化について、導入前後の傾向を算定した結果を基に、これらの市町村においては、基礎年金や平均的な厚生年金だけで生活をしている方は負担が軽減されること、及び一般的に低所得者では負担が軽減され、高所得者では負担が増える傾向がある旨を説明してきたものである。
 今回の実態調査では、当該算定方式を採用している市町村においては、後期高齢者医療制度の創設により、年金収入177万円未満の世帯の73パーセント、年金収入177万円以上292万円未満の世帯の80パーセント及び年金収入292万円以上の世帯の68パーセントの世帯の保険料負担が、これまでの国民健康保険の保険料負担よりも減少することが推計されたところであり、概ねこれまでの説明が裏付けられる結果になったものと考えているが、それ以外の市町村を含めた全体で見ても、世帯における保険料負担が、69パーセント(年金収入177万円未満の低所得者世帯で見ても61パーセント)の世帯で、減少することが推計されたところである。

三の(1)について
 お尋ねについては、低所得者世帯における保険料負担の増加の実態を踏まえ、均等割額が7割軽減されている世帯の一部について、さらに均等割額の軽減等の措置を講じることとしている。

三の(2)について
 後期高齢者医療の被保険者の資格を有する日の前日において被用者保険の被扶養者であった者については、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第 80号)において、当該資格を有する日から2年間、所得割額を課さないとともに均等割額を5割軽減することとしているが、それに加え、平成20年4月から 9月までの間は均等割額を課さず、平成20年10月から平成21年3月までの間は均等割額を9割軽減する措置を講じているところである。平成21年度以降の取扱いについては、今後、慎重に検討してまいりたい。

四について
 後期高齢者医療制度は、今後、増大することが見込まれる高齢者の医療費について、現役世代と高齢者の負担の公平化及び明確化を図りつつ、国民全体で支える仕組みとするものであり、74歳以下の現役世代には後期高齢者支援金としてご負担いただくものである。この後期高齢者支援金については、各保険者を通じて同一の算定方法によりその加入者数に応じて負担する仕組みとなっており、もとより健康保険組合に対して差別的に不当な負担を課すものではない。この後期高齢者支援金は、後期高齢者医療を国民が支えるために不可欠なものと考えており、このご負担についてご理解をいただけるよう、さらに努力をしてまいりたい。
 なお、今回の政府管掌健康保険等への支援措置は、厳しい国家財政の中において、被用者保険のセーフティネットとしての役割を果たしている政府管掌健康保険の安定的運営を確保するため、財政力のある健康保険組合等から納付いただいた特例支援金を政府管掌健康保険等に対して交付するものであり、被用者保険間の助け合いの一環として、医療保険制度全体の安定的な運営と、国の適切な財政運営との両立を図るために必要な措置と考えている。

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