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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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読売新聞 (1/1付)  「新春若手政治家座談会」に出席

2003年1月 1日 メディア情報 | 新聞・雑誌 tag: ,

多難な新年 大胆予想 -若手議員初夢放談会-

読売新聞 [1/Jan/03]


日本経済はデフレ不況から抜け出せず、米国のイラク攻撃が予想内外多難な新年の年頭に、 永田町で活躍する若手国会議員四人に、縦横無尽に「政治」を語ってもらった。さて、 何が飛び出しますやら―。


●バンドの夢破れ

―皆さんはなぜ政治家になられたんですか?

(高市) 私も原口さんも松下政経塾なんですが、入って丸一年たった時に、松下幸之助さんと話しをする機会があった。一九八五年の時点で、松下さんから、米ソ冷戦という世界の枠組みが変わるとか、九〇年代にはアメリカ一国繁栄からアジアに繁栄が移ってくるとか、日本が長期不況になる可能性があるという話しを聞きました。そういう大きな転換期が来るなら、それに対応する枠組みを作るのは政治だと思い、二十四歳の春に決心しました。

―それ以前はどうだったんですか?

(高市) 十七、八歳のころは、ハードロッカーになると決心していて、大学のときはずっと、ヘビーメタルのバンドをやっていたんです。けど、日本一になれないし、世界一になれないし、自分の限界ってわかるでしょ。大学四年までは、髪をピンクに染めてバイクに乗ってましたけど。

(林) 僕は、四世議員なんですが、絶対政治家にはならないと思っていた。おやじは官僚から政界に出たので逆に、私は民間にと思い、海外に行きたくて商社に入った。それでいろんな国の田舎に行ったんですが、例えば、中米に行くと、隣の国でテロがあって難民が流入したり悲惨な状況があって。でも、ちゃんと治めれば、食糧も水もあるわけですよ。それが政治の役割だなと気付きました。僕も昔は髪が肩まであって、ギタリストだったんですよ。でも大学一年の時に、プロにはなれないなっていうのは悟りました。

(原口) 僕は、政治家というとブルドックみたいで、悪いことする人、脂ぎった人という感じがしていた。だけど、(政治)はこのままでいいのか、とは思っていた。先輩が松下政経塾に行っていて、一回くらい松下さんに会っておけというんで、政経塾に行ったのがきっかけでした。


(江田) 最大の転機は橋本竜太郎通産省の秘書官になったこと。その後、首相になられたので政務担当秘書官になった。そこで、官僚はもう限界だなと思った。組織防衛の論理がまかり通って、日本のグランドデザインが描けなくなっている。一方、政治家もどうしようもないと。平気でうそをつくしね。橋本政権が終わると同時に辞表を出して、ハワイに行った。一年居て、その後選挙に出ないかという話しがあって、橋本政権でできなかった改革ができるんじゃないかと思い、挑戦したんですよ。
(プロフィール) 衆院神奈川8区。当選1回。無所属。岡山県出身。46歳。東大卒。旧通産省入省、 橋本通産相秘書官、橋本首相政務秘書官を経て2002年10月、初当選。 正月は、家族でゆっくり初詣など。好きな異性の有名人は、女優の黒木瞳さん。「お目にかかってみたい」

●党で選べない

―今の政界は対立軸が見えにくいと、よく指摘されますが?

(江田) 最大の不幸は、自民党も民主党も似たようなもので、対抗軸がはっきりしていないこと。民主党にも右から左が、自民党にも右から左がいる。有権者にとって選択肢としてよく分からない。

―それ以前はどうだったんですか?

(高市) 政策による政界再編が起こらないうちに、(衆院の選挙制度が)中選挙区から小選挙区に変わった。これがネックですよね。確かに、党で選べと言われてもわからないし、選挙後にその党がだれを首相候補に立てるかすら見えない。だけど、有権者の心持ち次第で明確に分かれていくと思う。有権者には選挙公約を細かく見て投票してほしい。団体推薦もそうで、私の政策を見て納得して推薦してもらえたら、よりありがたい。納得いかないなら最初から推薦しない方がありがたいんです。

(原口) 「依存と分配」の政治は、もう限界に来ていると思います。政府歳出の恩恵を受けている人、それは税という形だったり、規制という形だったり、補助金という形だったりするけれども、その人から遠いか、近いかで結集をやらないといけないかなと。政界再編のひとつの基軸と考えられるのではないか。

(江田) 僕は、再編軸というのは、外交・安全保障と内政と大きく分けて二つあると思う。外交・安保はハト派かタカ派かで分かれているし、内政だと、大きな政府か、小さな政府かということ。周辺の政策でゴタゴタになるのはいいんだけれども、基本政策で一本背骨が通った再編をしないから、よく分からなくなってくる。

(高市) 一言で言えば国家観ですよね。政策による再編のチャンスがあるとしたら、(二〇〇五年ごろをめどに)国会の憲法調査会の調査が終わって、さあ、いよいよ改憲するかという時。憲法の条文には明確に国家観、国家の役割、大きな政府か小さな政府か、結果平等か機会平等か、そういうものが盛り込まれているから、その時でしょうね。

(林) みなさんのおっしゃることで大体収れんしてますね。集団的自衛権の行使に賛成ですか、反対ですか。課税最低限(所得税や住民税のかかる最低限の年収)を上げますか、下げますか。この二つにイエスかノーで分かれちゃうわけですよ。簡単に言うと。


●票読めない

―今年は衆院解散・総選挙があるとの声が強いですが、ここで選挙についてお話しを聞かせて下さい。

(江田) 私の選挙は全く票が読めないんですよ。各種の業界団体や組織に全然あいさつしないし。うちの選挙区(衆院神奈川八区)は、特定郵便局長会は五百人ですよ。選挙区が三十八万人ぐらいいて、投票率半分で二十万票としても、そのうちの五百票ですよ。医師会も五百票。(組織や団体の)お偉いさんがいて、この人に頭下げれば通る、みたいな神話があったんだけど、うちの選挙区が都会だからかもしれないけど、案外そんなものじゃないんだな、というところに気づいてほしいんですよ。

(原口) そう言う、うねりみたいなものは地方にも出てきている。例えば、建設業界だと、強制的な動員はもういやだと。そこのボスと違うことをやると村八分にあうのは、本当に民主主義なのか、と。地方でもすごく変わってきていますね。

(高市) 今ね、あまり票読みできる人っていないと思うのね。たとえば団体の推薦をもらっても、推薦の紙が一枚来るだけで、そこに所属している人は全然知らない場合がほとんど。「え、うちの団体あなたを推薦しているの?」なんて、投票日の二日前に言われたりする。田舎だって、お父さんが支持者でも息子は全然違う。

(原口) こうやって皆さんと議論すると、非常にかみ合うんですよ。だけど、一つ上の世代だと、ほとんど議論にならないですね。

(江田) 政党間の格差より、世代間の格差の方が大きいかもね。

再編 うねり来る 江田
「対北」世論が左右 高市
不良債権処理カギ 林
若手が"波"起こす 原口

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 若手政治家による座談会。(左から)原口一博議員、林芳正議員、高市早苗議員、江田憲司議員。円内は聞き手の政治部・鈴木美潮記者

●来年も小泉?

―さて、初夢企画ということで一年後の日本を予想して頂けますか。

(林) 不良債権処理がどうなるかでしょうね。日銀総裁が三月二十日に代わるのを機に、一層の金融緩和に転じ、春ごろに発足する、(経営が悪化した企業の再生を図る)産業再生機構と一体となって不良債権処理を進めるという方向性が出てきていて、私はこの方法は間違っていないと思う。そこがうまくできるか、できないかによって、一年後はずいぶん違ってくる。

(高市) 抜本的な資産デフレ対策を短期的に打ちつつ、今の不良債権処理とか財政再建に取り組んでもらわないと。そうでないと、政府が考えているような、二〇〇四年度中に多少なりとも(不良債権処理の)結果が見えるようなことにはならないと思います。対北朝鮮外交は、日本の国民世論がどうふれるかで影響を受ける。現在の、拉致被害者の家族を分断した状態がずっと続いた時、最後まで日本が主権国家としてきちんと立ち向かえるか。世論が分断された家族への同情に変わってきた時に、この内閣がそれでも毅然とやれるのか。不人気でもこれが国家のためだ、と、明確に大義名分を示して国民を説得していくリーダーならいいのだけれど、衆院が小選挙区になってからいよいよメディア世論に左右されやすくなっているから。

(江田) 僕は今年は激動の年になると思う。小泉首相はもう限界だと思うんですよね。ただ、残念ながら「ポスト小泉に人はなし」というのが今の政治の最大の不幸ですよ。そういう中で、民主党は、有事法制への対応や米国へのイラク攻撃への支援問題で、早速、試練が待ち受けていて、今の党内の「ごった煮状態」では、更なる分裂もあり得るでしょう。自民党も、道路公団民営化、高速道路の建設問題で、「小泉vs抵抗勢力」の正面衝突を迎える可能性があるし、内閣支持率も低下し、九月の総裁選前後には一波乱も二波乱もあると思う。衆院解散の時期や、石原慎太郎東京都知事の「石原新党」の可能性ともあいまって、政界再編のうねりが来ると思う。だけど、来年一月も、(与野党が)どういう形であれ、首相だけは小泉さんかな。

(原口) おそらく一年後には(政界再編で)新しいコアチームができてますよ。リベラルなところを中心に、しかも若手が波を起こす。少数であっても真実と共にあるのか、多数であってもなんの真実とも一緒でないのか。とすると、少数でも真実と共にある政党の方が強い。これは若手の方から積極的に打って出るということがあり得るだろうし、それはやんなきゃいけないだろうと。

(江田) それは頼もしい言葉を聞きました。

週刊アサヒ芸能11/19発売号   「テリー伊藤さんとの対談」記事掲載
週刊現代 1/11発売号  週刊現代「愚父・慈父・厳父-おやじ、ありがとう」に登場