江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

混迷国会を問う――　「選挙前に『旗』を掲げよ」

神奈川新聞(12/22)　掲載記事

―――　麻生首相の評価は？
　「政治家として国をどうしたいという定見がない。朝令暮改などと言われているが、正体がばれたということだ。私が首相秘書官を務めた橋本政権で初入閣したのが麻生さん。当時も金融危機にあったが、経企庁長官として存在感はゼロだった。麻生政権が続くこと自体が政治空白だ」

―――　自民党内の「反麻生」の動きをどう見るか。
　「離党してからものを言えと言いたい。自民党でありながら、自分だけがいい子ちゃんとアピールしているようで選挙向けのパフォーマンスだ。まずは新党でも結成し、旗印を立てて国民の信を問うべきだ」

―――　小沢・民主党の評価は。
　「ばらまき的なところは気にくわない。高速道路の無料化など聞こえはいいが、借金はどうするのか。ただ、官僚主導打破を訴えているのはいいこと。元官僚として言うが、実現すれば日本の政治の風景は一変するだろう」

―――　二大政党制の是非は。
　「政権交代可能な二大政党制は必要だ。問題は今の二大政党に一本の背骨が通っていないこと。基本政策すら一致していない。政党政治は破綻しており、有権者は政治そのものを変えろと思っているはず」

―――　政権再編論者として、その時期はいつが望ましいか。
　「問題は選挙前に再編が起こるかどうか。旗を掲げ、国民の審判を受けないと。選挙後に政治家が談合で再編を起こすというのは有権者への裏切りだ」

―――　旗印は何になるか。
　「官僚国家日本を変える、という一点だと思っている。この混迷状況で全部一致するのは難しい。政治家や官僚の利権、天下りのために税金が吸い取られ、国民がやせ細っている。まずは、それを摘出することが大事だ。再編の第一弾として、そのような旗印の下に自民、民主など関係なく糾合し、政治家が一人でも多く集まればいい」

―――　現実的に選挙前の再編は難しいのでは。
　「小さくても選挙後に再編を促すような『触媒政党』が出てくればいい。私はまず、それを目指す。ただ残念ながら本格的再編は一回の選挙ではできない、選挙後に合従連衝が起き、さらに次の選挙で内政や外交・安全保障の基本政策で二つの大きな流れが出てくるのではないか。政局は激動の時代に入る。若干回り道にはなるが、まっとうな政党政治をつくるための民主主義のコストと割り切るべきだ」