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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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第16弾 いわゆる「押し付け型の天下り」禁止に関する質問主意書、及び、その答弁書

2007年3月16日 国会活動 | 活動報告 tag: ,

いわゆる「押し付け型の天下り」禁止に関する質問主意書

 いわゆる「押し付け型の天下り」を根絶するという安倍晋三首相の方針に賛成する立場から、以下質問する。

一 、
 官僚の天下りの弊害、その本質は、単に、当該府省の天下り官僚が、その親元の府省所管の契約や行政処分等に不正行為を要求すること等で当該府省の行政をゆがめることだけに止まらず、当該府省が天下り先を確保するために、不要な権限や組織(独立行政法人等)、補助金等を維持し、あるいは、それらを新設すること等により、税金の無駄遣いを助長することにあると考える。渡辺喜美行政改革担当相も同様な発言をしているが、天下りの弊害の本質について、政府も同様の認識と考えて良いか。

二 、
 安倍首相は累次にわたって国会内外で、「予算や権限を背景とした押し付け型の天下りは根絶しなければならない」と述べているが、「押し付け型の天下り」の定義如何。「押し付け型」と、そうではない天下りとの相違点は何か。

三 、
 先に私が提出した質問主意書の政府答弁書によれば、「各府省における国家公務員の再就職のあっせん、仲介等」を「企業、団体等からの要請に基づき職員に当該企業、団体等を再就職先として紹介すること等各府省がその職員の再就職について何らかの関与をすることをいう」(内閣衆質164第283号)とした上で、「各府省における国家公務員の再就職のあっせん、仲介等については、一般に、個別の企業、団体等からの要請や照会等に応じて行われるものと認識しており、平成11年から15年までの5年間に要請等がないにもかかわらず企業、団体等に職員の再就職の受入れを要請した事例として確認されたものはない。」(内閣衆質164号325号)としている。
 
(1)
これを前提とすれば、そもそもこの期間、「押し付け型の天下り」はなかったという認識か。それとも、先の答弁書の事実認識に誤りがあったということか。
(2)
同じく政府答弁書で「平成16年以降の国家公務員の再就職のあっせん、仲介等であって、企業、団体等に職員の再就職の受入れを要請したものの有無については、調査を行うことは膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。」(内閣衆質164号325号)とされているが、その後の調査で平成16年以降、「押し付け型の天下り」の事例が判明したということか。渡辺行政改革担当相が先頃行った天下りの実態についての省庁ヒアリングの結果を含めて、回答されたい。
(3)
渡辺行政改革担当相の省庁ヒアリング調査の結果、国土交通省など六省庁が、最初の再就職だけでなく、そこからさらに再々就職(いわゆる「渡り」)のあっせんを行っていることが判明したという。再々就職のあっせんは「次に再就職する人にポストを回すため」に行われるため、「押し付け型の天下り」に該当する可能性が高いと考えられるが、同様の認識か。また、調査の結果判明した具体的事例についてすべて明らかにされたい。

四 、
 渡辺行政改革担当相の提案とされる「省庁による天下りのあっせん・仲介」の全面禁止と、その代替措置としての官僚の再就職を一元的に管理する「人材バンク」の新設については、他の閣僚や自民党幹部等から「組織としての新陳代謝が必要」「現実に人事が回っていかない」等の反対意見が強いと聞く。これに対しては、どう反論、対応していくのか。それとも、「押し付け型」を一定の類型に絞り込み、それ以外の天下りについては、個別府省の関与(あっせん、仲介等)を残していくつもりか。

五 、
 先の政府答弁書(内閣衆質164号325号)では、「企業、団体等からの要請がないにもかかわらず各府省が退職した国家公務員の受入れを企業・団体等に要請することを禁止することは、職業選択の自由にかかわる問題ではないと考える。」とされ、すぐれて政策的判断の問題とされている。そういう意味で、少なくとも「押し付け型」の一類型として、「企業、団体等からの要請がない」場合の天下りを位置づけ、全面禁止すべきではないか。

六 、
 内閣府に設置される「人材バンク」による官僚の再就職について、その「人材バンク」を隠れ蓑に、実際上は個別各府省が、従前通り、その予算や権限を背景として「人材バンク」を通じた個別の再就職案件に影響力を行使することを遮断する方策如何。

    右質問する。


いわゆる「押し付け型の天下り」禁止に関する質問主意書に対する 答弁書

内閣衆質166第125号
平成19年3月27日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員江田憲司君提出
いわゆる「押し付け型の天下り」禁止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員江田憲司君提出
いわゆる「押し付け型の天下り」禁止に関する質問に対する答弁書

一について
 予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんによる再就職は、行政の合理化と効率化を阻害するものと考えている。

二について
 「押し付け型の天下り」の意味は必ずしも定かではないが、予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんによる再就職を指すものと考えており、その意味では、字義のとおりであるが、その中には、国民の目から見て押し付け的なものも含まれていると考えている。また、再就職規制の具体的な在り方等について現在検討しているところであり、お尋ねの「相違点」については、お答えすることを差し控えたい。

三の(1)について
 御指摘の答弁書(平成18年6月20日内閣衆質164号第325号。以下「先の答弁書」という。)においては「各府省において平成11年から平成15年までの5年間に要請等がないにもかかわらず企業、団体等に職員の再就職の受入れを要請した事例として確認されたものはない」とお答えしたところである。
 一方、二についてで述べたとおり、予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんに関しては、各府省等から特定の職員の再就職の受入れを要請したものだけではなく、国民の目から見て押し付け的なものも含まれていると考えており、例えば、近年摘発されている官製談合等の背景には押し付け的なあっせんがあったであろうと推測している。このように、押し付け的なあっせんが存在することと先の答弁書の事実認識は矛盾するものではない。う指導したところであるが、大相撲の運営は協会が主体的に行うべきものであることから、関係者に対して直接調査を行うことは考えていない。

三の(2)及び(3)について
 現在、各府省等のあっせん、仲介等による再就職、再々就職の状況を調査しているところである。各府省等に対するヒアリングの結果の取り扱いについては、現在行っている調査の結果の取り扱いと併せて検討することを考えており、現時点でお答えすることを差し控えたい。
 また、再々就職のあっせんについても、予算や権限を背景とした押し付け的なあっせんに関しては、国民の目から見て押し付け的なものも含まれていると考えているが、再就職規制の具体的な在り方等について現在検討しているところであり、お尋ねの「認識」については、お答えすることを差し控えたい。

四から六について
 再就職規制については、全体パッケージの中で、各府省等によるあっせんをなくして、機能する「新・人材バンク(仮称)」へ一元化していく方向で法案化を進めているところであるが、現在、これらの具体的な在り方等について検討しているところであり、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

第15弾 続編「政党ポスター」について再質問主意書、及び、その答弁書
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