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集団的自衛権一口メモ⑭~⑯嘘をつく外務省、鵜呑みにする政治家

2014年7月20日  tag:

(集団的自衛権 一口メモ⑭)

 どっかの党の党首が、性懲りもなく、国連憲章51条による国連への報告は、個別、集団と区別して報告しなければならないので、江田の言っていること(個別的自衛権の適正化)は国際法違反だと、予算委でもテレビでも言っているようですね。

 そんな外務省の説明を鵜呑みにする政治家は本当になさけない。ましてや、その御仁は自分を安全保障の専門家と自負しているというのだから、始末に負えません。政治家のレベルは所詮そんなものです。

 詳しくは「一口メモ④」で述べたとおりですが、信用できないという人は是非、下記の著作を読んでください。そこには私が言うのとと同じことが書いてある。

(藤田久一『国連法』東京大学出版会1998年/300頁以下)

 「国連憲章51条に基づく自衛措置の報告は、それ自体が単なる手続的な要請にとどまり、たとえ報告をしなかったとしても、自衛権行使それ自体が否定される類のものではないと解されている。
 また、安保理での審理に際して自衛権を援用した国が、安保理での審議が始まる以前に、自ら積極的に自衛措置の内容に関して報告をした事例はない、と言われている。そればかりか、安保理での審理において自衛権を主張した国が、自衛措置の内容を詳しく報告したケースさえほとんどないという。つまり、報告義務そのものが、プラクティス上形骸化されている。」

 そう、その程度のことなのです。そもそも国連指定の報告様式(ひな形)には、「個別」「集団」の区別はないし、現に、「個別」「集団」を区別してまじめに報告している事例は少ない。口頭や電話で行う場合もある。報告していない事例も多く見受けられる。そんな規定を援用して、個別か集団かはっきり区別して報告しないと国際法違反なんてよく言えたものだ。

 しかし、どっかの党首も党首だが、最近は嘘はつかないと思っていた外務官僚が平気で嘘をつくようになった。どちらも末期的症状。

(集団的自衛権 一口メモ⑮)

 しつこいですが、どうして日本では、教科書や基礎的知識すら勉強しようとせず、平気で国際的常識を無視した議論が横行するのでしょうか?それをいくら会見で私が指摘しても一行も報道されません。

 簡単なことです。国際司法裁判所のニカラグア判決は、「集団的自衛権」とは「他国を防衛する権利」と言っている。

 予算委で安倍首相は、今回の閣議決定は「他国の防衛ではなく、自国の防衛」とはっきり言っている。だから、今回の決定は、国際標準からすれば「集団的自衛権」では絶対にないのです。
しかし、おもちゃ箱をひっくり返したような騒ぎをしているメディアも、憲法論を無視してとにかく「集団的自衛権」を認めたいと思っているメディアも、私のような主張は都合が悪いんですね、報道すれば途端に、自らの主張のよって立つべき論拠が失われますからね。

(集団的自衛権 一口メモ⑯)

 火曜の参院予算委の岸田外相答弁で、また政府は嘘をつきましたね。いや、外務省の答弁資料をそのまま読んだだけなので、自分が嘘をついたことも認識していないでしょう、岸田さんは。

 中西けんじ議員(みんなの党)の「他国への攻撃があって(自国への攻撃がないのに)武力行使した例で、個別的自衛権とした例があるのか?」という質問に対し、「ない」と答えたのです。

 私が知る限りでも、西独時代のベルリン・ディスコ爆破事件(1986年)で、米国はそれはカダフィー大佐の仕業と断じてリビアを攻撃した。そして、米国はそれを「個別的自衛権」の行使と位置付けた。これって、西独(他国)への攻撃で、武力行使した例ではないんでしょうか?

 こういう、どこの文献にも出てくることさえ知らない、それも知らず質問する、そして、その嘘に納得する。この国はどこまでいっても官僚主導。政治主導なぞ「夢のまた夢」なのでしょうか?

 

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