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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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集団的自衛権一口メモ⑩~⑬・・・それって「個別的自衛権」だよ!

2014年7月18日  tag:

(集団的自衛権 一口メモ⑩)

 世論調査を分析してみると、「米艦防護」であるとか「機雷掃海」であるとか、個別的事例については賛成が過半数となっています。しかし一方で集団的自衛権を容認するかどうかという問いには過半数が反対です。特に、読売の「限定容認」にも過半数が反対という調査結果は衝撃でした。

 それはどういう事かと考えると、やはり昨今の国際情勢に照らし、国の安全はしっかり守ってほしい、その安全保障上の要請に応えてほしいという意識は国民の中に幅広くある。ただ一方で、従来の憲法解釈を変えてまで、集団的自衛権の領域にまで踏み込む事についてはなんとなく漠然とした「おそれ」「不安」があるということなのでしょう。

 これはとりも直さず、わが結いの党が先般発表した見解のように、やはり従来の個別的自衛権の解釈を「国際標準」に合わせる、軍事の現場、安全保障環境の変化に応じて適正化することによって、今迫られている安全保障上の要請にはしっかりと応えていくという対応が正しいことの証明ではないでしょうか?

(集団的自衛権 一口メモ⑪)

 月曜の衆院予算委の審議を聞いていても、やはり、安倍首相や政府には、「集団的自衛権」「個別的自衛権」という国際法上の概念への理解がされていないんですね。まったく信じられないことですが。

 国際司法裁判所は、「集団的自衛権」は「他国を防衛する権利」であって、安倍首相が言うような、結果的に自国に危害が及ぶ蓋然性が高い場合に、自国を守るための武力行使は、「集団的自衛権」に当たらないと言っているんですよ(一口メモ⑤参照)。

 おそらく安倍首相は外務省の言うことを鵜呑みにしているんでしょう。これまでの「個別的自衛権」の政府解釈が必要以上に狭められていた、それを「国際標準」に合わせ「適性化」しようというのが結いの党の見解で、それで昨今の安全保障上の要請にはすべて対応できるんですがね。

(集団的自衛権 一口メモ⑫)

 それにしても、予算委での北側公明党副代表と内閣法制局のやりとりを聞いていて、あらためてよくぞここまで限定したなと思いました。「北側さん!それって個別的自衛権だよ!」と声をかけたくなったくらいです。

 「新3要件」の一番目の要件「国民の生命、自由、権利を根底から覆す明白な危険」とは、法制局答弁によると「国民に、わが国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」だそうです。「戦禍が及ぶ」「犠牲が出る」状況とも。

 それって今の自衛隊法の防衛出動要件「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」と同じでしょ!

 二番目の要件にわざわざ追加された「我が国の存立を全うし、国民を守るために(他に適当な手段がない)」の文言は、「他国防衛」ではなく「自国防衛」の趣旨を明確にしたもの、と北側氏は言います。

 ならば「それって国際法に言う個別的自衛権だよ!安倍さん!」

(集団的自衛権 一口メモ⑬)

 でもまあ、何かたくらんでるんでしょうね、安倍さんは。予算委質疑は、ひたすら「新3要件」「新3要件」と言って逃げうせて、個別法やガイドラインの改定等の機会にあわよくば文言の拡大解釈をしたい、実際の発動の権限は自分にあるからそこは自由にやる、そのために「集団的自衛権」に踏み込んだという一点がほしい。

 その意味で、今日の審議で気になった点は、岡田克也さんの質疑で岸田外相が「日米同盟は我が国にとって死活的に重要」と述べたうえで、米国が攻撃された時は「新3要件」にあたる可能性が非常に高いと言ったこと。

 これに対し、安倍さんは「米国が攻撃されたからと言って自動的に新3要件に当たるわけではない」と言いましたが、思わず、外務省の本音が岸田さんを通じて出た感じがしましたね。米国が攻撃されて「助けてくれ」と言われたら、安倍さんはどんな状況であれ、拒否しない(できない)でしょうからね。

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