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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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また政治不信を助長する・・・臨時国会閉幕

2006年12月28日  tag:

 12月15日、野党四党が提出した安倍内閣の不信任案に、私は、本会議に出席した上で、半ばあきれ果てながら、あえて棄権した。こうした与野党による「見えすいた国民不在の政争」には与しないという強い意思表示をこめてだ。これで実質上、安倍内閣初の国会が閉幕することになる。

 不信任案の投票は、通常の法案採決のような起立採決ではなく、「記名投票」となる。議員名が記載された「白票」(賛成)か「青票」(反対)を、事務局の点呼を受けて議員一人一人が壇上にあがり投じるのだ。いわゆる視覚的には「堂々巡り」というやり方だ。

 本当は首班指名の時のように、壇上にあがった上で積極的「白票」を投じたかったが、今回はそういうわけにはいかないので、具体的には点呼をうけても議席に座ったままで投票しなかったのだ。首班指名も「たった一人の白票」だったが、今回も「たった一人の積極的棄権」である。何人かの議員が投票を終え近寄ってきて、いぶかしげに「なぜ投票しなかったの」と聞いて立ち去っていった。

 今回の不信任案の提出については、野党・民主党内でもぎりぎりの段階まで揉め、おなじ民主党でも、参院民主党は、共産、社民両党から求められた問責決議案の提出を拒否するといった「ちぐはぐさ」だった。攻めるなら攻める、やらないならやらない、どっちつかずの気迫もなにもない野党第一党の姿に、それが会期末恒例のセレモニーであることは誰の目にも明らかだった。こんなことに長々と時間をかけるくらいなら、教育再生をはじめ、もっともっと国会で審議することはあるだろう。国民がしらけた目で見守る中で、一体いつまでこうした茶番劇を政治は続けるのだろうか。

 それにしても緊張感のない国会だった。「タウンミーティングのやらせ問題」や「高校の未履修問題」等、政府・与党の失策がありながら、攻め込むべき野党、特に、民主党に覇気がなかった。鳴り物入りで就任した小沢代表は、安倍首相との党首討論でも昔年の迫力はなく健康問題も取り沙汰された。「郵政造反組の復党問題」等で支持率を急落させた安倍自民党に嫌気がさしても、かといってスキャンダルもあり政策的にも「ぱっとしない」民主党に期待を寄せられるわけでもない。それが今の国民の率直な気持ちなのではないか。そして「政治不信」ばかりが、またこの国を覆っていく。

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