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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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通常国会開幕・・・格差是正国会?

2007年1月22日  tag:

 宮崎県知事選で、タレントのそのまんま東さんが当選した。汚職事件の後とは言え、まさに私が指摘しているように、「政治不信」「政党不信」、「有権者の既成政党離れ」を端的に象徴する選挙となった。安倍自民党、そして候補者すら立てられなかった小沢民主党、ともに多難な船出である。

 そうした政局混迷、政局激動の予感の中、この25日から通常国会が開幕する。野党・民主党からは「格差是正国会」との声も聞かれる。確かに、安倍首相が言うような「憲法改正を争点に参院選を戦う。まずは国民投票法案の成立だ」という生活感のない問題意識よりは、庶民感覚に近い。

 マスコミが使う「史上空前の利益をあげている大企業には減税なのに庶民には増税」というキャッチコピーは、結構ぐっと胸にくる。安倍政権も早急に軌道修正しないと夏の参院選はあぶない。単にプレゼンテーション(広報戦略)の問題なら、これも早急に是正すべきだ。

 今の資本主義社会、自由と市場主義の日本で「格差」がある程度出るのはやむをえないことだ。格差がない社会というのは共産主義の理想郷でしかない。問題はそれが「耐え難いもの」かどうかだ。万人が「機会均等」、チャンスは平等に与えられ、努力しても報われない人には「セーフティーネット(失業保険や生活保護等)」を用意する。かつ、一旦「負け組」になっても固定されず、再チャレンジして「勝ち組」になる環境整備もする。その意味で、安倍首相のいう「再チャレンジ支援」の理念、方向性は正しい。

 しかし、あまりにもそれが総裁選向けの「急造り」のアドバルーンであったため、その政策的内実には「チグハグさ」が目立つ。一方で大企業を優遇しながら、いわゆる「社会的弱者」である障害者には負担増を求める、生活保護世帯には母子加算の廃止をする。極めてバランスを失しているのだ。庶民への増税とあいまって「強きを助け弱気をくじく安倍内閣」というレッテルが貼られれば、支持率の低下は続き参院選は戦えない。

 したがって、パート労働者の地位向上(同質同量労働の正社員並の扱い)や最低賃金の底上げ、残業代の割り増し等の政府ができる制度改正、「格差是正」政策を優先的に進めていくことだ。そしてそれは同時に、従業員給与の引き上げ、「労働分配率」を高めることにもつながる。それが国民の生活を安定させ、消費拡大を通じて「景気回復の本格化」にも寄与する。ワーキングプアーといわれている人たちの生活向上も含め、国民にいかに景気回復を実感させられるか、それが今後の政権運営の一つのポイントとなる。

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