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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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松岡農水相自殺・・・問題をうやむやにするな!

2007年6月 4日  tag:

 松岡農水相が自殺した。心からご冥福をお祈りしたい。ただし、これで「政治とカネ」の問題をうやむやにしてはいけない。いや、むしろ、第二、第三の松岡氏(犠牲者?)を生まないためにも、「抜け穴」だらけの今の与党案(政治資金規正法改正案)を、抜本的に見直すべきだろう。

 今の与党案は、「なんとか還元水(光熱水費)」「事務所費」の問題を受けて、一つの政治資金管理団体に限り、経常経費(人件費を除く)であっても、政治活動費と同じように、5万円以上の支出に領収書添付を義務づけるものである。

 しかし、政治家は通常、複数の政治団体を持っており、いくら政治資金管理団体に規制をかけても、それ以外の政治団体に費用を付け替えれば、いくらでもごまかせる内容だ。むしろ、法改正自体に消極的だった自民党の大勢を、安倍首相の要請で急遽転換させた経緯から、「抜け穴」をつくることで党内をおさめたのである。

 同じ政治家として本当に情けなくなる。私も、政治担当総理秘書官として、いくらかは政治の裏表を知っているつもりだったが、どうして多数の自民党議員が、民主党の言うように、すべての政治団体の1万円以上の支出に領収書を添付する案すら嫌なのか、まったくもってわからない。よほど、私も知らないような「やばい」経費に政治資金を充てているというのだろうか。

 しかし、「政治とカネ」の問題の本質はここにはない。私が、累次にわたって主張してきたように、根本的な問題は、企業・団体献金から生ずることを、この際、銘記すべきだろう。昔はロッキード、リクルート事件、最近では日歯連一億円ヤミ献金事件、そして、今回の緑資源機構の官製談合がらみの松岡氏への献金、すべて、政治とカネのスキャンダルは、この企業団体献金にかかわるものだからだ。

 そういう問題意識から、細川内閣当時、赤ちゃんからお年寄りまで一人当たり250円負担してもらって、300億円を超える「政党助成金」制度を税金を使って導入する代わりに、政治家「個人」への企業・団体献金の全面禁止を、国民に約束したのである。

 にもかかわらず、政治家という人種は、まことに「抜け穴」探し、「抜け穴」づくりにたけた人種で、政党には企業・団体献金が許されていることを良いことに、今度は、政党支部を雨後のタケノコのように設立し、政治家個人がその代表になることで、実際上政治家個人への企業団体献金を可能としたのである。これでは国民を欺く税金の二重取りといわれても仕方がないだろう。

 したがって、約束通り、企業・団体献金を全面禁止し、そして政治資金収支の徹底的な公開をする、これなくして政治への国民の信頼は戻らないし、松岡氏のような痛ましい出来事が、政界でこれからも続いていくことだろう。現在、国会で別途審議中の「天下りの根絶」問題と相俟って、政官業の癒着という、改革を阻む最大の要因が、それではじめて除去されるのである。

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