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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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ガキ大将とミソッカス?・・・米国とどう付き合うか

2007年10月15日  tag:


 日本にも「米国のポチ」論がある。英国にも「米国プードル説」もあるらしいから、日米同盟、米英同盟ともここ数年、イラク戦争をはじめ米国の対外政策には振り回され続けてきたとも言える。

 我が国には、ひたすら米国の言いなりで追随することこそが、日本の安全を守る唯一の手立てという割り切った考えもある。日米安保でいざという時に日本を守ってもらうためには、多少のプライドは捨てて、米国の機嫌を損ねず、米国追随一辺倒で行くしかないではないか、というのである。

 それも一つの見識だろう。しかし、この私はとらない。日本は米国に対し、そんなに卑屈になる必要は更々ない。

 昔、中曽根首相(当時)が「日本列島は不沈空母」と形容し、物議を醸したことがあった。まさにそのとおりで、これまでも、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、横須賀や嘉手納等日本の基地から、米軍が幾度ともなく出撃していった。それだけ日本列島は、米国にとって、かけがえのない戦略的要衝の地ということである。

 特に、フィリピンのスービック基地なき後、南シナ海からマラッカ海峡を経て、インド洋をのぞむ、この海域でのシーレーン防衛を誰が担うのか。協力してくれるのはシンガポールぐらいでインドネシアやフィリピンは当てにならないと米国は考えている。つまるところ、グアムと日本、特に沖縄の基地で守るしかないのだ。

 したがって、朝鮮半島から米軍が完全撤退することはあっても、日本を米国が守らないという選択肢はない。いや、嫌な言い方をすれば、日本にある米軍基地を守るために米国は必死に日本を守る。おまけに日本は、毎年2000億円以上の「思いやり予算」も出している。こんな住み心地の良い国もない。

 だから、日本は米国に守ってもらってるんだから、米国の言うことは全部聞かなければならないと卑下する必要はない。所詮、二国間関係は「ギブアンドテイク」「持ちつ持たれつ」の世界なのだから、まさにそれを梃子に「対等な日米関係」を目指せば良いのだ。

 確かに、米国は短気でせっかちである。時々、唯一の超軍事大国として傍若無人に振る舞うこともある。しかし、基本的に私は米国の「懐の深さ」「草の根民主主義の強さ」を信じている。米国と言っても「色々な顔」があること、「振れすぎた振り子は必ず戻る」ことも知っている。私が米国を好きなのも、こうしたところに理由がある。

 インド洋から海自が撤退するといえば、確かに米国は嫌な顔をするだろう。多少のフリクションは起こる。しかし、そんなことで揺らぐ日米「ギブアンドテイク」の関係ではない。私が橋本通産大臣(後に首相)と熾烈な「日米自動車交渉」を17回も行い、最後までクリントン政権がせまる「数値目標」を突っぱねた時に比べれば、何のこともない。

 米国は米国で、自らの国益のために、多少の日米関係は損ねてもやむを得ないということを、これまでも今もやっている。日本が切望する国連常任理事国入りを昨年つぶしたのは一体誰だったか。北朝鮮の核不拡散のためなら、日本の重大関心事である拉致問題は置き去りにしてでも「テロ支援国家の指定を解除」しようとしているのは誰なのか。

 だからどうだというつもりもない。国際社会とか外交交渉とか二国間関係というものは、そんなものだということを言いたいだけだ。日本は、日本人は、そこが良いところなのだが、真面目で律儀すぎる。国際社会は同じルールでプレイしていないのだから、日本だけが深刻に肩をいからして「9.11テロでも日本人は24人亡くなりましたから」と国際貢献を力んで説くこともない。米国民の方が、既にもっと冷めた目で「9.11テロ」を見ているのだから。

 とにかく、もう日本も、「ガキ大将の背中のうしろで指だけ出して、いつも『そうだそうだ』と言っているミソッカス」を演じている場合ではない。そんな「ミソッカス」は、クラスメートからも尊敬されないし、当のガキ大将からも軽蔑されるのだから。

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