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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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大乱の年に新しい旗印を!・・・ (2) インディーズの挑戦

2008年1月14日  tag:

 福田首相は「平時の宰相」だ。果たしてこの乱世にも通用するのか。私が元旦の朝出演した「朝まで生テレビ」では、サンプル数は少ないものの、電話調査で福田政権にのぞむことは「特にない」がダントツのトップを占めた。政権にとっては由々しき事態で、厳しく受け止めなければならない。

 確かに一体何をしたい政権なのか、「生活者や消費者が主役」は良いが、それが来年度予算にどう反映されているのか、さっぱりわからない。民主党の「農業バラマキ」に対抗して、同じ農業や道路、整備新幹線へのバラマキも目立つ。新規国債発行額や公共事業、ODAは確かに減らしたが、全体のプライマリーバランスは五年ぶりに赤字幅が拡大した。

 このような改革の減速を嫌ったこともあり、外国投資家の「日本売り」が加速し、新年の大発会でもご祝儀相場どころか株価は下がった。米国のサブプライムローン問題や原油高、円高等で今年の日本経済には暗い影が差そうとしている。それに対する有効な手立ても見えない。

 さらに、福田政権の、官僚との距離感、間合いも気になる。昨年末の独立行政法人改革で、土壇場で渡辺行革相のはしごをはずしたように、「官僚の言いなり」なのではないかとの疑念も消えない。

 首相以上に官僚の意向を尊重する町村官房長官の存在もマイナスだ。年金問題では「(参院)選挙だから縮めて言ってしまった」と平気で言い、薬害肝炎問題では患者に「司法の論理を分かっているのか」とのたまう。官僚の天下り問題でも、退職後次々と天下り先を渡り歩く「わたり」について、規制に消極的な発言を繰り返した。そうした中で、官邸内霞ヶ関勢力は「只今やりたい放題」というのが現状だ。

 首相が国民のために死ぬ気になってはじめて改革は進む。特に、官僚の既得権益を奪う行革は首相でしかできない。これが私の官邸経験からくる信念だ。特に財務省、このスーパーパワー官庁、スーパーエリート官庁の抵抗は想像を絶する。大臣風情がいくら逆立ちしてもできない。その覚悟が福田首相にあるのか。

 このような中で、今年の政局の山は春から秋にかけて来る。テロ新法は憲法の2/3条項を使って強引に再可決したが、予算は通っても、33本の予算関連法案がある。ガソリン税や赤字国債の特例法案、法人事業税を地方に再配分する地方税法案、医療や地域再生関連法案等々、それらをすべて2/3で再可決とはいかない。

 そうすると、予算に穴があく、新規施策が執行できないといった事態が続出する。すなわち政権運営ができなくなるのだ。ここで福田政権が踏みとどまれるのか、解散権はあくまで総理にあるのだから何があってもじっと我慢の子はできる。しかし、嵐が過ぎ去るのを首をすくめてやり過ごすことができるのか、これが第一の関門である。

 一方、福田首相はどうしても「洞爺湖サミット」をやりたい。亡父、福田赳夫首相(当時)は大平氏に総裁予備選で負け東京サミットを主催できなかった。あの安倍政権より少しでも長く政権を維持したいという願望もあるかもしれない。そうすると、内閣支持率がじり貧になっていく中で「福田降ろし」の動きも党内では出てくるだろう。それに対し「サミットまでは何とか頼む」ということで「サミット花道論」もあり得る。サミット後退陣し、夏、自民党総裁選を行い新しい総理総裁を選ぶのだ。

 それまでの間、あの安倍政権で、まるで退陣前に滞貨一掃とでもいうように17回強行採決をして法案を次々と成立させたように、どんなに世論に批判されても2/3条項を駆使して予算関連法案を成立させるということも考えられる。サミット後、新しい総裁を選び組閣をすれば、新内閣の「ご祝儀相場」で支持率が持ち直し、秋の臨時国会の冒頭で解散ということもあり得る。

 選挙前の民主党の一部との合従連衡もあり得ない話ではない。小沢民主党代表がテロ新法再可決の大事な投票を、大阪府知事選応援を名目に棄権したという「事件」も起こった。元々、民主党という組織文化に合わない、生粋の自民党気質の政治家が、また総選挙前後に「大連立」に走らないという保証もない。投票棄権はそれへの布石との見方もある。

 しかし、もうこんな政治はたくさんだ。党利党略ばかりで国民不在の、旧態然たる政治家が跋扈する「昔の名前で出ています」という政治は一掃する年にしたい。米国でも未知数だが若いオバマ氏が民主党の指名争いのトップに立ってきた。韓国でも台湾でも政権交代が実現し、新しい政治の風が吹き始めた。日本でも、そういう意味で、あの細川政権が誕生した時のような、「何かが変わる」「変えてくれる」といった高揚感を、大勢の国民が共有することのできるような「新しい政治の流れ」を是非つくらなければならない。

 無所属、いや「インデペンデント(インディーズ)の挑戦」。まさに私にとっても正念場の2008年である。

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