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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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何のための公務員制度改革か!・・・仏造って魂入れず

2008年4月 7日  tag:

 内閣が先週、「国家公務員制度改革基本法案」を閣議決定した。結果は予想どおりの骨抜きで、福田首相のリーダーシップもついぞ見えず、これでは何のための公務員制度改革か、まったくわけがわからない。

 「仏造って魂入れず」。今回の骨抜きの「内閣人事庁」、そして、近い内まとまるだろう骨抜き予想の「消費者庁」、そして昨年末設立が決まった「観光庁」。一体、この内閣は、行革に反して、いくつの組織を新設したら気がすむのだろうか。

 そもそも「公務員制度改革」の目的は何か。それは、「大蔵一家」「通産一家」という強烈な帰属意識、「一家意識」を叩き壊すことにある。採用から昇進、退職・天下りに至るまで、当該省庁に忠誠を尽くせば、80歳まで安心の「終身保障システム」。これが行革に抵抗する「組織防衛意識」を助長し、縦割り行政の弊害そのものを産み出しているのだ。

 今回の案の最大の問題点は、当初、各省庁幹部の人事案を「内閣人事庁」が作成するとされていたのが、人事案は各省庁が作成し、「内閣人事庁」はそれに「助言、情報提供」するにすぎない、とされたことだ。「大臣の人事権を犯す」「大臣が人事権を掌握していないと官僚への統制が効かない」というのが反対理由だが、まったく実態がわかっていない。

 「大臣=お飾り=官僚が良いように差配」という構図が、これでは崩れないからだ。むしろ、「人事を通じた大臣の省内掌握力」を問題とするなら、人事案は「内閣人事庁」に作らせ、そこと大臣が綿密に協議して決める方が、よほど官僚にとっては脅威であろう。なぜならそこに、その省庁の官僚が口をはさむ余地がなくなるからである。

 「政治家と官僚の接触制限」にいたっては、私にはその意味すらわからない。まさに「机上の空論」としか言いようのない代物だ。たしかに、今のように政治家と官僚の接触を野放しにしておけば、族議員が官僚を個別に呼びつけて口利きをし、利益誘導を求める危険性は大いにあるだろう。しかし、それは一部自治体で採用しているように、接触記録を省庁内に保存し、節目節目に公開することで足りる。

 それよりも、政治家が官僚に「税金の無駄遣い」や「政策の適不適」等を、「フェース・ツー・フェース」で問い詰めて、その議論の中から判明した問題点を国民の前に公にするメリットの方がはるかに大きいだろう。

 今回の法案では、「政務専門官」を置いて政治家との接触を一元化させ、それ以外の官僚は大臣の指示による、とのルールを設けるようだが、これは結局、霞ヶ関側に都合よく悪用される可能性が高い。霞ヶ関はこれを防波堤に、うしろめたい、やましい案件について、野党議員から追求されることから逃れる口実に使うことだろう。

 また、今回の案では、現行の「キャリア制度」を廃止し、「総合職」「一般職」「専門職」に再編するそうだ。しかし、これも意義がわからない。必ずしも「総合職」が幹部になれるかどうか保証されず、「一般職」「専門職」からも幹部登用できることがミソらしいが、実際は、今の「キャリア制度」の部分修正にすぎない。現状でもII種職員からの幹部登用が一部行われているが、それを多少拡大する程度の話だろう。

 結局、官僚以上に官僚的なDNAを持つ首相や官房長官に、公務員制度改革などできるはずがないということだ。幸い、この法案が今の「ねじれ国会」で日の目を見ることはない。一度仕切り直しをし、本当に官僚主導の政治を変えようとする政権下で、「天下りの全面禁止(人材バンクの廃止)」を含めて抜本的な改革を行うべきであろう。

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