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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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雇用・能力開発機構を廃止せよ

2008年8月18日  tag: , ,

 一部報道によれば、政府は「独立行政法人改革の焦点となっている厚生労働省所管の雇用・能力開発機構を解体し、主要事業を廃止する方針を固めた」という。「9月3日に開かれる政府の行政減量・効率化有識者会議に示す予定」という。

 俄には信じがたいが、事実なら評価したい。しかし、これからの厚生労働省との折衝や族議員の反発を考えると予断を許さない。

 ご承知のように、この雇用能力・開発機構は、雇用促進事業団当時、全国に「勤労者福祉施設」と称して、2,000もの「ハコモノ」を、4,500億円もの雇用保険料を注ぎ込んで建設し、赤字続きとなると、それを二束三文でたたき売った団体だ。あの「スパウザ小田原」や「中野サンプラザ」などが有名だ。その売却代金はたったの百億円超にすぎず、何と建設費の3%にしか過ぎなかった。

 これが民間なら、経営陣は総退陣で、会社への退職金の返上や何らかの損失補填を求められてもやむをえないだろう。しかし、この事業を担当した旧労働省幹部は、なんら責任をとらないばかりか、今、優雅な天下り人生を謳歌している。機構自体、五人の理事のうちの三人、二人の監事のうちの一人が厚生労働省出身者という天下り団体だ。

 その原資は、皆さんが納めている雇用保険料だ。それを収入とする、この労働保険特別会計の経営ほど杜撰なものはない。日本の景気が良いときは、失業率も低く、失業給付等の支出も抑えられていたことを良いことに、自分たちの天下り先を確保するために、湯水のごとく雇用保険料を注ぎ込み、「ハコモノ」を全国に造りまくった。そして、景気が悪化し、失業給付が嵩み、特別会計の財政事情が悪化すると、それまでの事業の総括、反省は一切せず、雇用保険料を値上げした。機構の「勤労者福祉施設」が批判されると、前述のようにタダ同然で売り払い、また、懲りずに「私のしごと館」という「ハコモノ」を600億円近くかけて建設したのだ。そして、また、毎年十数億円の赤字を垂れ流している。

 したがって、「私のしごと館」はおろか、こんな「雇用能力・開発機構」は、即刻、廃止すべきなのだ。この団体は全国62カ所の職業能力開発センターを中心に「職業訓練」の仕事をしているのだが、その約7割は既に民間委託されており、民間では難しいとされる「ものづくり分野」の職業訓練も、高専やものづくり大学で十分代替可能なのである。

 懲りない官僚にはきついお灸をすえなければ、この国の将来はない。そろそろ、たとえば局長以上の幹部官僚については、しっかり実名で責任の所在を明示した上で政策を立案、実行する、結果、それが失敗し、税金のむだ遣い等を通じて国民に損害を及ぼした場合は、その求償を含めて責任をとらせるといった法整備が必要だろう。

官僚言いなり内閣・・・福田改造内閣発足
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