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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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IMFに10兆円(上)・・・どこからそんな金が出てくるのか!

2008年11月17日  tag: , ,

今週末行われたG20で、麻生首相は、新興国等への流動資金供給のため、IMFへの10兆円の融資を約束した。貸付金とはいえ、一体、こんな借金財政の中でこんな巨額の金がどこから出るのか。

 答は、外国為替資金特別会計の預金またはドル建て債の貸付、すなわち外貨準備からだ。

 私もこの国際金融危機に際して、我が国としてできる資金的貢献を行うことに反対するものではない。しかし、「ああそうですか」と割り切れないのは、世界、いや米国に対してはポンと10兆円の金が突然出てくるのに、なぜ国内、国民の生活のためには「ない袖は振れない」となるのか、ということだ。

 今、埋蔵金論争が行われている。今回の定額給付金には2兆円の埋蔵金が財政融資資金特別会計から出されるが、これで3度目の「狼少年」だ。財務省は「埋蔵金はありません」と言いながら、過去二度、あわせて30兆円近い埋蔵金を出した。今回もまた、その財務省の言いなりに「ない」と言い張っていた自民党閣僚、政治家が、見事にはしごをはずされて2兆円出てきたのである。

 実は、私が埋蔵金御三家と言っている「外為」「財政融資」「労働保険」の3特会で、毎年5兆円、3年間で15兆円の「利益繰越金」(フロー)が出てくるのだ。このうちの「財融」分2兆円を今回一年限りで取り崩したにすぎない。このほかにストックとして43兆円(御三家分)の埋蔵金がある(もちろん全部は使えないが)から、そのうちの1/3を取り崩せば15兆円、あわせて、この3年間で30兆円の財源はあるということになる。

 私が「改革の果実還元」特別会計をつくって、そこに、上記埋蔵金や行革、税金のむだ遣い解消で得たお金を入れ、3年間を集中改革・景気浮揚期間として、減税や格差対策、医療・年金の立て直し等に当てていく、と言っている趣旨がここにある。要は、この不確実な時代、麻生首相が日本経済は「全治3年」というなら、少なくとも、この3年間ぐらいの政策の道筋を計画的に財源付きで示すようにすることこそが大切なのだ。

 しかし、先般の経済対策発表の総理記者会見では、消費税増税は言うが、そのお金を何に使うのかも示されず、また、「増税の前にやるべきことがある」との国民の声に応える「大胆な行政改革」の具体的中味も今後の工程表もなかった。これでは、単に選挙目当ての場当たり的な対応と批判されてもやむを得ないだろう。

 おまけに、「百年に一度の危機」と言い、「政局より政策」で解散を先送りしておきながら、今国会は今月末で閉じるという。へたに延長しては解散に追い込まれるとの懸念からという。これでは、緊急経済対策を出しておきながら、肝心の、それを実施する第二次補正予算や関連法案を来年の通常国会に先送り、定額給付金も含め、その実施は早くても来年3月ということになり、こんなに国民をバカにした話もない。これでは、やはり「政策より政局」、その本音は自民党惨敗の調査結果を受けた解散先送りだったという魂胆が見え見えだ。

 暖房と冷房を同時にかけるような支離滅裂な経済対策の中味とあいまって、この政権は既に末期的症状をきたしつつある。(次号に続く)

埋蔵金がもったいない・・・定額給付金2兆円
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