国民一人一人の夢を実現できる社会を実現したい

江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

文字サイズ
Home  > コラム  > 今週の直言  >  政治家個人への企業・団体献金を全面禁止せよ

カテゴリー月別

政治家個人への企業・団体献金を全面禁止せよ

2009年3月 9日  tag: , ,

小沢一郎氏の公設秘書の逮捕をめぐり、与野党で、やれ国策捜査だ、もっと説明責任を果たせ、じゃあ自民党政治家はどうなんだ等々とかまびすしい。しかし、元々、政党助成金も企業・団体献金も、はなから受けていない私からすれば、「目くそ、鼻くそを笑う」たぐいの話だ。違法適法以前に、「同一企業から何百万も何千万ももらう政治家の気が知れない」「自民も民主も『同じ穴のむじな』ではないか」とも言いたくなる。

 いつの時代も、「政治とカネ」を巡るスキャンダルといえば、企業・団体献金をめぐるものだ。リクルート事件やロッキード事件をあげるまでもない。そして、こういう事件が繰り返されるたびに、いや、憲法上、企業や団体にも「政治活動の自由」が認められているから、献金そのものは認めて、そのお金の流れを透明化すれば良いという「きれいごと」で、与野党ともお茶を濁してきた。

 しかし、私は、もう、そんな「きれいごと」ではすまない、政治家個人への企業・団体献金を全て禁止すべきだと、ずっと訴えてきた。禁止すれば、今回のような事件は起こりようがないのだ(「ヤミ献金」までいくと別だが)。

 そもそも、細川政権の時に進めた政治改革の一環として、国民の税金を使って政党助成金を導入する代わりに、政治家個人への企業・団体献金は禁止するということだった。しかし、政治家という人種は、便法、脱法行為を考える天才だ。企業・団体献金が個人ではなく「政党」なら許されることをいいことに、自民党本部や民主党本部などの政党本部だけではなく、「政党支部」という組織を「雨後の筍」のように作り、そこを受け皿に、実際上、従前どおり、企業・団体献金が受けることができるようにしたのである。その政党支部の代表には、その政治家個人が座るのだから、そこに入った献金は自由に使えることになる。今や、こうした政党支部は、国会議員はもとより、県会、市会議員一人一人に一つ、あわせて一万以上あるという。

 さらに、今回の事件のように、政治団体を通せば、政治家個人も実際上、企業・団体献金を受けられるという「抜け道」もある。業界が、建設業政治連盟、自動車整備政治連盟といった政治団体をつくり、傘下の企業から集めたお金を、そこを通じて政治家個人に献金するのなら、それは合法なのだ。まさに「形を変えた企業・団体献金」「マネーロンダリング」と言っていいだろう。ちなみに、政党所属でない私も、これらの政治団体からは企業・団体献金を受けとれるが、政治信条として受けとっていない。

 こういう国民を欺くやり方、尻抜けの方法を平気で作っておきながら、一方で、税金で年間三百億円を超える政党助成金も受け、完全な二重取りとなっているのだ。これを国民との約束違反、裏切りと言わずして何と言えるだろう。

 しかし、「政治とカネ」スキャンダルが起こる度に、大山鳴動してネズミ一匹も出ず。「政治資金の流れの透明化」だけでは、いつまでたっても同じことの繰り返しだろう。やはり、抜け道の政党支部への企業・団体献金も全面禁止し、政治団体を通じた政治家個人への企業・団体献金も禁止する。そして、必要な政治資金は、個人献金と政党助成金、せいぜい党本部への企業団体献金(全部公開)でまかなう方向で検討すべきだ。

 こうした問題意識から、我々の「国民運動」では、小沢氏秘書の事件が起こる前から、「政治家個人への企業・団体献金を全面禁止」を「10のアジェンダ」の一つに掲げてきた。先週も、上越市、名古屋氏でタウンミーティングや街頭演説を行ってきたが、「一体、我々はどこに投票したらいいのか」との声をあちこちで聞いた。政治への失望、いや絶望感が強い。

 こうした「自民も民主もどっちもどっち」という国民の声をしっかり受けとめて、今後とも、「国民運動」を全国で展開しながら、政治家としての責任を全うしていきたい。

『麻生隠し』に走った米国・・・TVキャスターよりも軽いのか
政治にはいくらカネがかかるか?