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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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本年度補正予算に反対・・・中味が酷すぎる

2009年5月11日  tag: , ,

「過去最大規模」という触れ込みで、今、本年度予算の補正審議が衆議院で行われている。14兆円を超す予算規模ということだが、審議すればするほど、中味がかなり杜撰なことがわかる。

 とにかく、はじめに規模確保ありきで、各省庁寄せ集めの政策、しかも、およそ政策とは言えない「バラマキ」も随所にみられ、いかに急造りで「ドタバタ」と作ったかが、目に見えるようだ。

 これで3年後には、消費税の大増税というのだから、たまらない。大盤振る舞いをあえてすることで、3年後に消費税を上げるために、特定の政治家と財務省が結託してシナリオを書いているのではないかとさえ思えてくる。「あのとき、あんなにバラまいたのだから、今度は消費税を上げさせてくれよ」という筋書きを。

 私も、この深刻な経済危機の局面では、大規模な財政出動をすること自体には反対しない。ただ、麻生政権の経済対策と我々が考えるそれとの間には根本的な違いがある。それはこの「14兆円の負担を誰に求めるか」という点だ。

 麻生政権は、赤字国債の発行をはじめ10兆円を超える借金でそれを賄い、3年後の消費税増税で国民から取り戻す。特別会計の過大な積立金、官僚が貯め込んだ「埋蔵金」が充てられるのはほんの一部で、しかも財務省がOKをだしたものだけだ。相変わらずの「小出し後出し」が、この局面でもみられる。

 我々は、国民にツケを回す前に、まずは国会議員や官僚が身を切るべきとの立場だ。上記「埋蔵金」を全部吐き出すことは言うに及ばず、議員や公務員の数も大幅に減らすべきだし、民間企業では当たり前になってきた給与カットにも手を付けるべきだ。麻生政権は、12.6兆円の税金が食いつぶされている天下りの禁止も言わない。官僚が考えた政策をホッチキスでとめただけの「丸投げ」では、そういう発想が絶対出てこないのだ。

 先般、全国紙が行った世論調査でも、約6割の人が今回の経済対策を「評価しない」と回答していた。国民もよくわかっている。いま一番の問題が「経済の先行き不透明」「生活の将来不安」なのに、麻生政権は3年後、5年後の工程表、道筋も示さないまま、場当たり的な政策を、一年限り、二年限りとやっているだけだ。これでは「不透明感」や「不安感」は払拭されない。

 子育て応援手当がその典型例だ。就学前の3~5歳の子供がいる家庭に3万6000円を支給する。たった1年間、月にならすと3000円を支給されたからといって、さして子育て支援にはならないし、「じゃあ2人目、3人目をつくろうか」なんて考える夫婦もいない。定額給付金と同じで、本当に景気を押し上げたい、消費を刺激したいのならば、低所得層に限定するなど給付対象を絞り込み、かつ恒常的に支出していかなければ意味がない。

 さらに問題なのは、「この莫大な経済対策を奇貨として生き延びよう、あわよくば行革の流れを止めよう」という動きが、独立行政法人や政府系金融機関に出ていることだ。たとえば、行革の閣議決定で廃止や機能限定が打ち出されている雇用能力開発機構や都市再生機構に、このどさくさにまぎれて、それぞれ150億円、1000億円の税金が投入されている。政府系金融機関の民営化も早々に先延ばし、あわよくば民営化撤回を目論んでいる。

 また、道路公団改革で、今後、新たな税金投入なしで有料道路は建設していこう、採算をきっちり判断して野放図な道路建設はやめようということだったのに、不採算道路を税金でつくる「直轄方式」を悪用して、「合併施行方式」という悪知恵を産み出し、いつのまにか不採算な有料道路を税金投入で作っていく仕組みが盛り込まれた。これでは、以前の、「熊しか通らない」道路建設で借金が雪だるま式に増えていく構図に完全に逆戻りしたのも同然だ。道路改革も見事なくらいに失敗に終わった。

 農業分野でも、民主党の「戸別所得補償制度」に対抗して1兆円超のバラマキが盛り込まれた。公共事業も「施設整備費」として2兆円超の税金投入でまた「はこもの」建設だ。だいたい官僚組織というのは、古今東西、自己増殖を図るもので、行政学の世界でも「パーキンソンの法則」と呼ばれている。それを、麻生首相自身が後押ししている。というか、こうした官僚の意図をまったくわかっていない。まさに「良きに計らえ」宰相の面目躍如といったところなのだ。

 こんな補正予算に賛成できるわけがない。これだけの財政出動だから、一時的に景気は上向くだろうが、3年後の消費税増税を含め、確実にこの国の将来を危うくする予算となるからだ。

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