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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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鳩山辞任・・・政争にまで発展させた麻生首相の責任

2009年6月15日  tag: , ,

鳩山総務相が辞任した。怒っているうちにメディアに予想以上に注目され、引くに引けなくなったのか、それとも、麻生首相に見切りをつけた計画的辞任だったのか。そんなことはどうでも良い。問題は、こんな単純な問題が、どうして政争に高じるまで放置されたのか。そこが問われるべきであろう。

 「単純」と言ったのは、この問題が、日本郵政という会社のトップたるものの経営責任をどうみるか、その評価、是非の問題にすぎないということだ。そしてその前提には、日本郵政が純粋な民間会社ではなく100%政府出資の特殊(国策)会社であること、その結果、大臣の認可権も法定されていること、かつ、本件は途中解任ではなく任期満了での交代、是か非かということ等がある。

 たしかに、日本郵政では、「かんぽの宿」の廉価一括売却や、障害者割引を悪用した問題、簡易保険の不払い等々の問題が起こった。後二者は、西川社長就任以前からあった問題だが、最近、発覚した問題でもある。「かんぽの宿売却問題」については、立場によって、その入札手続きの不透明さやバルク(一括)販売の是非、その評価額等々にいろいろな意見があることもわかる。

 しかし、それもこれもひっくるめて、担当大臣と社長、必要ならば総理も含めて、その責任の所在や要因の分析を、この役員改選期に、徹底的にやってみれば良いだけの話だ。その結果、交代してもらった方がよければ交代、続投すべきなら続投と決めればいい。それが、どうして「郵政民営化推進」と「消極派」の争いになるのか。

 本来、国民にとっては、大臣がやめようが社長がやめようが、どうでもいいことだ。それより大事なことは、売却は白紙撤回されたが、毎年50億円の赤字を垂れ流している「かんぽの宿」をどう今後処分していくのか、郵政民営化の目的の一つであった政府株売却による「改革の果実」の国民への還元、すなわち、日本郵政上場の道筋をどう描いていくのか、その方がはるかに重要なことだろう。ちなみに郵政関連株を全部売れば、およそ10兆円のお金がうまれてくる。
責任をいうなら、2400億円もの国民の保険料を流用して、こんな無駄な施設を作り続けた官僚や政治家の責任はどうなっているのか。

 そうした肝心なことには何も手をつけず、政争と人事抗争を繰り広げたのが、今回の人事劇だった。そして一番の責任は、そこまで放置し、首相としてのリーダーシップを早期に発揮しなかった麻生氏にある。

 もう一度いう。今回の一連の問題を郵政民営化是か非かにすりかえるべきではない。郵政民営化についていえば、私もそれを訴えて前回の選挙で信任された以上、郵政民営化推進論者だ。しかし、残念ながら今の民営化の現状は、簡易局の廃止をはじめ地方の利便性を損ねたり、300兆円になんなんとする郵貯、簡保のお金が、相変わらず「官(国債)」に流れ、民間に流れていないといった負の側面ばかりが出ている。

 ただ、それは、郵政民営化が悪いのではなく、民営化が中途半端で遅々として進んでいないからだ。その最大の背景にも、麻生首相が、自分が小泉内閣で枢要なポストを占めながら「実は民営化に反対だった」と国会で堂々とのたまう御仁であることにある。先にふれた政府株の売却利益の計上や莫大な資金の民間環流等の「民営化の果実」の収穫時期が確実に遅れているからだ。

 いずれにせよ、もうたくさんだ。「良きに計らえ」の「何にもしない総理」。その下で次々に露呈する「政権末期症状」。はやく選挙をしてリセットしなければ、この国は確実に終わってしまう。

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