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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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橋下徹さん、初志貫徹だ!・・・政党支持表明

2009年6月29日  tag: , ,

「知事の乱」が話題になっている。今後も解散総選挙をにらんで尾を引きそうだ。その中で、私は、東国原氏の自民党への「総裁候補要求」問題よりも、橋下氏の首長連合の方に強く惹かれた。

 それは彼が「今までの首長の動きでは何も変わらない」として、今後、新党あるいは特定政党の支持表明を検討するとしたからだ。

 ただ、「新党」については、後に彼自身が撤回したように、いわゆる我々政治の専門家が考える「新党」、すなわち、国会議員5人を集めて政党助成金の対象となる「新党」ではなく、単なる「政治団体」であることが判明した。前者なら、次の総選挙で候補者を擁立、あるいは、メンバーの中から首長を辞めて立候補ということも考えられたが、そこまでする気はなさそうだ。

 さきほど、単なる「政治団体」と言ったが、実はここがミソなのだ。従来の全国知事会や市町村長会がやってきたような、政策提言やそれに基づく要望という線、枠を越えて、「政治的行動」に出る。すなわち、各政党のマニフェスト(公約)を評価して、「地域主権」という観点から彼らの政策を最も実行してくれそうな政党を首長として支持、推薦し、その選挙を応援するということだ。これは、その首長が寄って立つ支持基盤、あるいは、種々の政党で構成される議会対策という観点からしても、当然、リスクの大きいものとなる。

 そういう理由で、早速、全国の首長から疑問の声や不参加の声が上がっている。あるTV調査によると、全国の知事と政令指定都市の市長で、特定政党の支持表明まで可とするものはたった4人だったという。また、産経新聞の報道によると、この首長連合の陰で「民主党ブーム」がかすんでしまうことを恐れた民主党重鎮が、「橋下とは一線を画せ」と首長たちを電話で説得しているという。橋下氏本人にも様々なルートを通じてプレッシャーがかけられているようだ。

 こうした情勢を受けて、橋下氏自身の言動も段々と後退している。確かに、この構想はとても用意周到に準備されたものとは言えず、4人の食事会ではじめて出たような「生煮えの話」(特に新党がらみの部分)を、発信力のある橋下氏がメディアにしゃべったものだから、「すわ一大事」とメディアが大反応し報道が著しく先行した。翌日にはたった4人のメンバーの中ですら「政党支持表明」是か非かで路線の違いが顕著になったことからも明らかであろう。

 そして、残念ながら、今時点では、特定の「政党支持表明」ではなく、地域主権という「政策」への評価を各党毎に行う首長ネットワークに止まる見込みだという。

 しかし、これではまったく意味がない。まさに橋下氏の言うように「今までの首長の動きでは何も変わらない」からだ。この程度の団体ならば、もうみんな忘れてしまっているが、昨年年初に華々しく登場した「せんたく」がある。その時も、東国原氏が参加したものだからメディアは大々的に取り上げた。一部では「東国原新党か」とまで報道され、ワイドショウまでが連日取り上げたものだ。何やら日本を救うのはこの「せんたく」しかないとまで持ち上げるメディアまで出てきたのである。

 それが今はどうか。真面目に活動は続けているようではあるが、メディアに取り上げられることもなく、ましてや国政に影響を与えることもない。なぜか。この「せんたく」は、今回の首長連合よりはるかに多い首長が集まり、「脱中央集権」というコンセプトも明確で、事務局もしっかりしていたにも係わらず、今回と同じような路線対立の結果、極めて無難な「政策提言」と「各党マニフェストへの反映」要望という従来の枠を超えられなかったからである。

 橋下さん、これと同じことをやるなら、そんな運動はおやめなさい。地域主権を本当に進める政党への支持や特定の候補者の推薦・応援にまで踏み込まなければ、国政は変わらない。いや、それが一番わかっているからこそ、あなたは、こういう動きを起こしたはずだ。ならば、是非、初志貫徹し、路線の違う首長とは袂を分かって、少数精鋭でいい、そこまで踏み込めるリスクをとれる首長たちと是非決起をしてほしい。そう、あなたの突破力に期待している国民は多いのだから。

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