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何をどう間違えたのか(中)・・・鳩山政権発足から半年

2010年3月29日  tag: , ,

 「政権移行チーム」と「国家戦略局」についての、総選挙直後の報道を紐解いてみよう。

 「政権移行チームは、鳩山氏が座長になり、特別国会召集前に新内閣の陣容を固め、予算の骨格や中長期の外交・安全保障戦略をつくる国家戦略局、行政刷新会議の人選も進める。新しい党幹部を選任。同時に官房長官や国家戦略局担当相、財務相、外相ら主要閣僚と官房副長官ら首相官邸スタッフを内定する意向だ。」

 それが

 「新内閣発足までの段取りを取り仕切るはずだった政権移行チームの発足が、小沢氏の鶴のひと声で見送られた。鳩山代表が新政権の人事は首相就任後に1人で決めると方針転換。先行人事による党内の混乱・不満を抑える狙いや、「選挙前に人事構想が吹聴されたことに不快感を示している」(党中堅)小沢氏サイドへの配慮などが背景にあるとみられる。」

 国家戦略局についても、当初は意気揚々だった。

 「国家戦略局は党政調会長が兼任する担当相をトップに国会議員や民間の有識者、党職員、官僚の計30人規模となる見通し。初閣議で政令を改正して暫定的に立ち上げ、10月にも想定される臨時国会で設置法成立を図り、法的に位置付ける。」

 この国家戦略局も、小沢氏の「国家戦略局って一体何だ」の一声で今日までお蔵入りになったのである。その背景には、戦略局設置で予算編成の主導権を握られたくない財務省の意向があったことは想像に難くない。

 その結果どうなったか。

 まず、ガバナンスと言えば、当初目論んだ「政策決定の内閣一元化」ではなく、「党への一元化、幹事長室への一元化」が図られた。政権発足当初の内閣・党人事の密室化、陳情の幹事長室への一元化や年末の重点要望、個所付けの党を通じた内示等がその象徴例だ。当初の政権構想では、党の幹事長も閣僚(ex.副総理)を兼務し「内閣一元化」を図る予定だったが、なぜか、菅直人氏が就任予定とされていた政調会長は廃止され、小沢幹事長だけを例外扱いして入閣させなかったのである。そもそもこの小沢氏の人事が、内閣と党との二元化、いや、党への権力集中、一元化を招いている最大の要因なのだ。

 また、国家戦略局が立ち上げられなかったことで、麻生政権時の補正予算の見直しや、事業仕分け、年末の予算編成と、実際は財務省に頼らざるを得ないという状況が生まれた。財務省も「渡りに船」で、新政権のよちよち歩きを助けることで恩を売り、自分たちの天下り等の既得権益、省益を守った。この点は、昨年末のラジオ番組で、鳩山首相自身が「財務省主導という部分を百パーセント払しょくできたかどうかは反省しなければならないところもある」と自ら認めているところだ。

 そして、「官僚主導から政治主導へ」という政権の看板も絵空事になったのである。先の施政方針演説で、「脱官僚」あるいは「脱官僚依存」という言葉が一言も出てこなかったことでもわかるように、現状は、官僚主導の打破どころか、官僚依存、特に財務省依存がはなはだしい(続く)。

何をどう間違えたのか(上)・・・鳩山政権発足から半年
何をどう間違えたのか(下)・・・鳩山政権発足から半年