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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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言語道断の国会運営・・・自民党よりひどい

2010年5月31日  tag: ,

 社民党の連立離脱騒動に隠れてあまり報道されないが、今、国会では、与党・民主党による強行採決の連発、尋常ではない強権的な国会運営がまかり通っている。

 先週金曜日には、あの「郵政民営化逆行法案」が、たった6時間の審議で強行採決された。こうした重要法案の場合、識者の意見を聞く公聴会の開催や参考人質疑があるのは当然のところ、与党はこれらをすべて無視して審議を打ち切った。すべては、参院選前に法案を何としても通してしまおうという、郵政票ほしさの選挙が第一の国会運営である。

 その前哨戦として、郵政法案を早く審議入りさせるために、所管の総務委員会に先にかかっていた放送法改正案も、与野党間で修正協議が進んでいたにもかかわらず、突然打ち切って、与野党の理事間の協議(委員会運営の基本)もせずに委員長職権で委員会を立ち上げ、強行採決を行った。

 厚生労働委員会では、度重なる強行採決に嫌気がさした委員長(民主党)が、表向き体調不良で委員長職を辞した。彼は私もよく知っているが、人柄の良いまじめな方で、近く労働者派遣法改正案の強行採決が想定されるところ、その良心の呵責に堪えかねての辞任と考えられている。民主党内の良心的な議員からしても卑劣極まる国会運営がされている証左であろう。

 こうした事態を国民的立場からみると、「与党も野党もどっちもどっちだ」「なんて国会議員は下らないことばかりやっているんだろう」ということになるのだろうが、そう片づけるにはあまりにひどい運営なのだ。

 これまで、こうした与野党間の国会運営上の駆け引きに、我々みんなの党は距離をおいてきた。審議拒否はせず、粛々と対応してきた。まさしく、自民も民主もどっちもどっちという考えからだった。しかし、民主党の、自民党時代よりひどい「数の暴力による言論弾圧」についに堪忍袋の緒が切れた。このまま放置すれば、さらにエスカレートする。これが最近、みんなの党が他の野党と共闘をはじめた理由である。

 しかし、小沢幹事長、山岡国対委員長による「そこのけそこのけお馬が通る」式の国会運営は、確信犯的所業であり、野党共闘だけではとても防ぎきれない。そこで出てくるのが衆院議長なのだが、我々が何度も申し入れをしているにもかかわらず、まったく動かないという情けない事態になっている。議長というポストは、いくら民主党出身といっても、党籍を離脱して就く以上、議会運営では公正中立を旨としなければならないのだ。

 とにかく何を申し上げても「与野党間でよく話し合ってほしい」の一点張り。もう十分話し合っている、一方的に与党が強行しているのだと言っても「与党にその旨は伝える」。事ここに至っても単なるメッセンジャーボーイの役割しか果たさない、本会議の司会進行役しか果たさない。議長の存在理由などないも同然だ。これでは「小沢幹事長のロボット」と批判されてもやむを得ないだろう。

 先週金曜日の、野党幹事長による議長申し入れの際も、私の方から「今の国会運営の現状を議長として正常なものと考えているのか、その認識を問いたい」「事ここに至って、議長の仲介・あっせん等を含め何もされないと言うなら、議長の職責とは何か」と厳しく詰問した。しかし、議長の答えは上述とおりの繰り返し。私の方から「(何もされないなら)議長は今の国会を正常と認識されていると私は受け止める。このことを国民に広く知らしめたい」と啖呵を切った。

 政権交代後の民主党政治の、国民への裏切りは数知れない。野党時代、あれほど口汚く罵っていた自民党国対政治の、その上をいく横暴な国会運営も、その裏切りの一つだということを国民の皆さんにも是非知っていただきたいものだ。

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