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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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憲法96条の先行改正について・・・その前にやるべきことがある

2013年5月13日  tag:

 最近、安倍政権が提起し、メディアでも大きく取り上げられ出した問題に、憲法改正、特に、96条の先行改正の問題が
ある。結論からいえば、みんなの党は、これに軽々に賛成するわけにはいかない。

 みんなの党も、時代の流れ、要請に応じて、憲法を改正していくことについては、当然、あってしかるべきと考えている。しかし、問題はその中身だ。この点で、みんなの党は、一院制、首相公選制、地域主権・道州制等の「統治機構改憲」を訴えている。「9条」ではない。それが「官僚主導」「中央集権」の今の「この国のかたち」を変えることになるからだ。

 しかし、現状はどうだろう。こうした「統治機構」に係る、「公務員制度改革」や、一票の格差是正、定数削減等の「選挙制度改革」、あるいは「政治改革」、そうした憲法を改正しなくても、単に法律改正でできることさえ、今の政治はろくろく
やっていない、やろうとしていない。

 特に、安倍政権になってからは、「公務員制度改革」の「こ」の字も、「地位主権」の「ち」の字も言わなくなった。これで、どうして「統治機構改憲」に踏み込むことができようか。その覚悟も決意もないというのが、今の我々の安倍政権への
評価である。

 「公務員制度改革」については、民主党政権時代、野党の自民党と共同で法案を国会に出した。ほぼ理想的な法案で、その自民党が政権をとったのだから、その法案を単に国会に出せば良いだけの話だ。しかし、私が何度、予算委員会でその点を質しても、安倍首相は「その後の検討でいろいろ問題が出てきた」と煮え切らない。

 「地域主権」でも、あの民主党政権ですら、総選挙前に国の出先機関を地方に移管する法案を閣議決定した。その内容は、経済産業省の「経済産業局」、国土交通省の「地方整備局」、環境省の「環境事務所」だけの移管で、中身に乏しいものだ。しかし、やらないよりはましである。しかし、自民党は、こうした「しょぼい内容」の法案にすら反対している。

 特に、「地方整備局」については強硬だ、なぜか?そう、そこが例の「国土強靭化」を担当する部署だからだ。10年間で200兆円の公共事業をばらまく、この「国土強靭化法案」、そのバックにいる中央官僚と族議員。彼らは絶対に、こうした「甘い汁」を手放したくない、地方にその金や権限を明け渡すなどまっぴら御免だ、という考えだからだ。

 そうした「統治機構改革」に対する決意も覚悟もない政権が、参院選後、「96条だけ改正したい。ついては賛成を」と
言ってきても軽々に賛成できないと言っているのだ。そうした「つまみ食い」は許さない。

 ただ、「96条改正」については誤解があるので、そこだけ、我々の考え方を最後に示したい。国会の発議要件を総議員の2/3から1/2に下げても、決して、改正がしやすくなり、時の政権の専横が許されるわけではない。主権者たる国民の、
改正に対し判断する機会が増えるだけだ。なぜなら、あくまで「国民投票」にかけられ「過半数の賛成」が必要だからだ。

 これは「憲法制定権力」という憲法学の本質に係わる問題だ。近代の立憲主義の国家では、この「制定権力」は「国民」にある。決して、我々国会議員ではない。立法府は、その憲法から権限を与えられた機関すぎず、その機関が、その大本(おおもと)の憲法を勝手に変えることは許されないからだ。

 そういう意味で、今の日本国憲法はよくできている。あくまで主権者たる国民にその判断をゆだねているからだ。したがって、たとえ96条改正で発議要件を2/3から1/2に下げても、それは改正の「提案」をしやすくするだけで、その後に国民
投票がある限り、改正の困難、容易さを決する本質的な要因にはならないと考える。

 憲法の是非を、より国民に判断していただく機会を増やす、すなわち、国民により憲法を身近にする、その壁を低くする、そして国民の手に憲法を取り戻す、そうした趣旨での「96条改正」に対する、みんなの党の立場であることを是非ご理解
いただきたいと思う。

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