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森友学園問題・・・安倍昭惠夫人の責任は重い!

2017年3月10日  tag:

 森友学園問題。何から何まで「異例づくめ」「初物づくし」。本来、縦割りで連絡も悪い役所(近畿財務局、大阪航空局、大阪府)同士が、しかも「前例踏襲」でリスクを冒さない役所が、まるで示し合わせたかのように、籠池氏の要望にこたえて、開校時期にあわせて、とんとん拍子で手続きを進めている。ありえないことで、そこには大きな政治的な力が働いていたとみるのが普通でしょう。

 それが何かはまだわかりません。ただ、私は、安倍昭惠夫人の責任が極めて重いと思います。外から見れば「総理夫人」は、どうしても総理の「分身」あるいは「代理」とみられる。少なくともその背後に総理の影を見る。

 そんな総理夫人が通常、一私企業、一私学に加担することはありえません。「総理夫人」の肩書、その信用力は抜群ですから、その結果、当該一私企業、一私学に大きな利益、利得を与えかねないからです。

 私が橋本龍太郎政権で「夫人担当」の政務秘書官をしていた時も、久美子夫人がどんな行事に出て、どこに祝電を打つか等々は常に相談を受けていました。「公」ではない「私」のために、夫人が「動く」ことは厳に慎んでいたものです。

 ちなみに、なぜ「政務秘書官」が夫人担当なのかというと、総理家(安倍家)と私的に一番近い存在が政務秘書官だからです。役所出向の総理秘書官は政策面でのサポート役にすぎず、官邸や内閣府の職員に至っては、通常、総理や夫人と会うことすらありませんから、夫人にくる各種行事やイベントへの出席依頼、祝辞や祝電依頼等を捌いていけるのは政務秘書官しかいないのです。どうしてもそれまでの総理家との関係、経緯等を踏まえての判断も必要になりますから。

 話を戻します。この問題では、その一私学に、昭惠夫人は四回も講演等に行き、児童募集のパンフレットに写真付きでメッセージを寄せ、名誉校長にも就いていた。そして、それを見事に寄付金集め等に利用されている。脇が甘かったという程度の話ではないのです。

 加えて、幼稚園で感涙する昭惠夫人のビデオが流れましたが、そこに政府職員が同行していたことも判明した。そこで「瑞穂の国小学院で何かお役に立てることがあれば」と言った昭惠夫人の思いを、その職員が関係方面に伝えたことも考えられます。また、この事案に「総理案件」という印がつけられ、最近、局長以上の人事を官邸に握られ戦々恐々としている財務省等の幹部が、忖度に忖度を重ねたことも考えられる。

 ちなみに、この同行職員(注)は経産省からの出向ですが、それは「夫人担当」の政務秘書官が経産省出身だからでしょう。そうでなくとも行革で人繰りが厳しい役所が、純増で二人も職員を内閣に出向させたのは、政務秘書官が母屋の経産省にお願いしたと考えるのが自然だからです。ということは昭惠夫人の訪問とその内容も、この政務秘書官に報告されていたのではないか。その出張報告は関係部署も閲覧していたのではないか、、、。

 いずれにせよ、国会での真相究明が必要不可欠です。しかし、一連の記録がすべて「廃棄」されていると強弁する政府。ならば、籠池理事長、当時の近畿財務局長、大阪航空局長等関係者を参考人招致して話を聞くしかないでしょう。

 にもかかわらず、政府与党が「籠池氏を呼べば何を言い出すかわからない」という理由で拒否しつづければ、第一次安倍政権崩壊の引き金をひいた「消えた年金」問題の二の舞になるかもしれません。あの時も、当初の安倍首相の反応は極めて鈍かった。それが半年のうちにワイドショー等でどんどん深刻化した。国民を侮ってはいけません!

(注)
 内閣官房によると、現在、夫人担当の職員は全部で5人。そのうち3人は外務省職員で非常勤。この3人の職務は昭惠夫人がファーストレディーとして総理外遊に随行する時の様々な「お世話」担当。どの政権でも、こうした外務省職員は存在。ただし、経産省出向の職員二人(常勤)は安倍政権特有のポスト。夫人の国内担当と思われる。

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