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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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2005年・ベスト/ワーストの顔

2005年12月26日  tag:

 今年もいよいよ暮れようとしている。そこで、一年間を振り返って、「ベストの顔/ワーストの顔」を考えてみたい。皆さんは、誰をあげるだろうか。

 おそらく、多くの人は、「ベストの顔」として、「小泉劇場」で衆院選に大勝した小泉純一郎首相、ゴルフ人気を久々に急浮上させた宮里藍選手、弱小ロッテを日本シリーズで優勝させたバレンタイン監督等をあげるに違いない。

 しかし、私はあえて、「ベストの顔」には、「日本スピンドル製造株式会社の社員」をあげたい。いや、何も特定の会社である必要もない。あの、「JR福知山線脱線転覆事故」。その現場で、率先して、被害者救出に動いた周辺の人たちすべてをベストに推したいのである。思えば、私も事故直後、事故現場に二時間ほど入り、考えさせられることが多かった(今週の直言[09/May/05]「JR脱線事故に思う」参照)。

 彼らは、この、せちがらく、殺伐とした世の中に、一服の清涼剤を与えてくれた。地域社会の崩壊や人と人の絆が薄れていく今日、「まだまだ日本人も捨てたモノじゃない」と我々に一筋の希望を与え、「忘れかけていたもの」を思い出させてくれた。私が現場に行った日は、ゴールデンウィーク初日の休日であったが、その人たちは何事もなかったように黙々と仕事をしていた。

 それに引き換え、事故当初、「置き石発言」にみられたように、責任逃れに終始したJR西日本。事故後、救出活動もせず、何くわぬ顔で出勤した同乗JR職員。その体たらくについては、今更言葉もない。

 「ワーストの顔」には、今、ホットで怒り心頭なイシューとして「耐震構造偽装事件」の関係者、姉歯元建築士やヒューザー小島社長、総研の内河氏をあげる人が多いかもしれない。しかし、小さな子供を持つ親として、私は、ホセマヌエル・トレス・ヤケ(広島女児殺害事件)、萩野裕容疑者(京都学習塾殺人事件)ら、「小学女児殺害事件犯人」をあげたい。

 11月から12月にかけて、広島、栃木、京都と、連続して起こった小学女児殺害事件は、私を含めて、子供を持つ親にとってパニックに近い衝撃をもたらした。昔、「水と空気と安全」はタダで手に入ると言われた日本が今や完全に消え去り、もはや我が国において、学校や登下校時はもちろん、親の目の届かない所に、子供の安全がないことが証明された。

 政府は、来年度予算案で、地域ボランティアが学校を守る「スクールガード」の増員や、通学路や公園に緊急通報装置を設置すること等を盛り込んだが、子供を守るのは一義的には親、そして学校や地域社会の人々が、昔の地域コミュニティーを取り戻すことが何よりも重要だろう。

 今年も、政治、経済、社会、スポーツ、芸術等で多くの出来事があった。この国は一体、全体として、良い方向に向かっているのか、そうではないのか。小泉劇場は確かに面白かったが、先行き不透明の中で新年を迎える。

いつもながらの稚拙な外交・・・東アジアサミット
2006年は政局激動の年・・・政治が真に国民本位に機能するために