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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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質問主意書って何?・・・今後続々提出

2006年2月20日  tag:

 この国会に入ってから私は、「議員年金の偽装廃止法案」や「耐震強度偽装事件」について、立て続けに「質問主意書」を出している。そこで、この際、「質問主意書」とは何かを説明しておこう。

 最近では、米国産輸入牛肉に危険部位である脊柱が混入していた事件にからみ話題となった。昨年11月18日に閣議決定された「質問主意書」に対する政府の答弁書で、「(米国産牛肉の)輸入再開『以前』また輸入再開後も担当官を派遣して、米国におけるわが国向けの牛肉処理施設に対する現地調査を実施することが必要」とされていたのに、その事前調査をしないままに輸入再開を決定した政府の責任が問われたのだ。一時、中川農水大臣が、その閣議決定違反の責任をとるとらないという事態にも発展した。それだけ重い意味を持つのが「質問主意書」というものだ。
 また、先の国会では、あの鈴木宗男議員が、外務省の不正をあばく「質問主意書」を28本も乱発し、外務省職員が答弁書作成で徹夜が続き、音を上げているという報道もあった。

 この「質問主意書」とは、簡単に言えば、国会議員の国政調査権に基づく、時の首相宛の公開質問状と考えてよい。どの政党に属そうが属さまいが、国会議員である以上、誰でも議員個人名で提出できる。国会開会中ならいつ何時でも、国政のどんな事柄についても質問できる。そしてその宛先は内閣総理大臣である。
 質問主意書は、衆参の議長を通じて、内閣に転送され、原則として一週間以内に政府は回答をしなければならない。そして、これが肝心なところだが、その回答は「閣議決定」という内閣の最高意志決定を経て、内閣の「公式見解」として、議員の手元に戻ってくるのである。

 私も、政府に長らくいたから言えるのだが、この質問主意書ほど役所にとって厄介なものはない。ひとたび出されると、まず回答期限の延期のお願いに当該議員のもとを訪れるのが通例だった。というのは、国会答弁と違い、回答書は、内閣の法の番人とも「法匪」とも言われる、「内閣法制局」の一言一句にまでわたる厳格な審査を受けなければならないし、閣議決定される以上、各省庁と回答案文を協議し調整しなければならないからだ。それにしては一週間の回答期限は短いし、通常業務も多忙だ。だから、質問主意書がある議員から出そうだという情報を嗅ぎつけると、それを「消し」にいくこともままあった。

 役所が嫌だと思うということは、裏返せば、やりようによれば、国会答弁よりも良い情報や答弁が引き出せるということにもつながる。だからこそ有効とも言え、与党の議員より野党の議員がこの制度を活用するのにも理由がある。現に、官僚の天下りや税金のムダ遣いも実態も、この質問主意書を通じてかなり明らかになってきた。

 こういう状況を受けて、政府・与党内には、この質問主意書の提出を制限しようとする動きも出てきた。確かに、単なる資料要求(質問ではなく)や嫌がらせとしか思えないような質問主意書があることも事実である。が、議員の国政調査権の行使は、国民の知る権利にも通じる重要な権能であるのだから、最大限尊重されるべきであろう。

 私も以前、「イラクへの武力行使の正当性に関する質問主意書」を三度にわたり出し、メディアにも取り上げられ、政策秘書の国家試験にも採用された。今後とも、この質問主意書を通じて、所属する環境委員会だけでなく国政全般にわたり、政府の考え方や方針をただしていくつもりだ。そして、その結果は、有権者の皆さんにリアルタイムで報告していくつもりである。

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