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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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総理の言葉・・・その存在の耐えられない軽さ

2008年12月 8日  tag: , , ,

麻生首相の朝令暮改が繰り返されている。昔、総理という地位の方に直接お仕えした身としては、信じられないことだ。

 その原因は、一言でいえば「定見がない」ということに尽きる。自らの信念に基づく政策がないから、周りから言われたことを、しかも、直近に言われたことを、よく理解もせずに口に出してしまう。麻生氏に限らず、よくある無能な政治家のパターンだ。

 だから、官僚は政治家への根回しに「ささやき戦術」「耳打ち戦略」を得意とする。「ここだけの話ですが」「まだ誰も知りませんから、先生のアイデアとしておっしゃってください」というような甘美な話を、ぼそぼそと耳打ちするのだ。そして、内密の話に弱い、自分を偉く見せよう、こんなことも知っている大物政治家だと印象づけようと思う政治家ほど、あちらこちらの会議で吹聴してくれるので、その役所の思惑どおりに、事が進んでいくというわけだ。

 道路特定財源の一兆円を地方が自由に使える財源にという趣旨で「地方交付税」という言葉を麻生首相が使ったのは、側近の総務省(地方交付税を所管)出身秘書官が省益のために「耳打ち」したからだ。それが党内の道路族の猛反発で「交付金」と言い直したのも、対抗勢力からの「耳打ち」だった。

 都道府県との二重行政が指摘される地方ブロック機関の整理合理化で、地方分権委員会の委員長と麻生首相が会った時は、その場で交わされた「廃止」という言葉を使い威勢がよかったものの、早速、「とんでもない」と猛反発する霞が関連合軍の「耳打ち」が効を奏して、わけのわからない「統廃合」になった。「統廃合」には、廃止だけでなく、二つの機関を統合して一方は支局、支部等で残す看板の書き換えも含み、たんなる「廃止」とは大きな違いがある。

 基礎年金への国庫負担を1/3から1/2に上げる時期を「来年4月から」と言ったり「来年度中」と言ったりコロコロ変わるのも、「たらたら食べて病気になっている人のお金をなぜ俺が払う」発言と同じように、基本的に、この国の「社会保障制度」をよく理解していない証左ともなった。そう言えば、麻生氏はこれまで厚生行政を経験したことがない。

 極め付きは「怪我」を「カイガ」と読み間違えた事例だ。私はテレビ等で、漢字の読み間違いはあえてあげつらわないようにしているつもりだが、この間違いは「ふしゅう」や「みぞゆう」とは本質的に異なる。これは厚生次官経験者等への連続襲撃事件へのコメントとして「カイガされた方の一日も早いご回復を祈る」と言った事例だが、これは、この程度のことを言うにも、事前に秘書官が書いたメモに目を通し、一旦覚えて発言していることを物語る。そうでなければ、さすがに麻生首相といえども「けが」という日本語ぐらいは知っているはずだから、自分の言葉でメモを見ずに言えば間違うことなどなかったはずだ。麻生首相が側近官僚の操り人形であることが、このことからも伺いしれる。

 総理の言葉は重い。時として、党をはじめ関係方面にもまったく根回しなく、総理のリーダーシップの発露として、官邸主導で大きな政策を打ち出すこともある。例えば、橋本政権の「中央省庁を一年で半減」もその一つだった。ただ、その場合、その公約が守られなければ当然退陣も覚悟しなければならない。それだけ、総理の言葉は重いのだ。だから、麻生首相のように、一旦口に出した言葉を、しかも重要政策の方向性、中味に関わることを、いとも簡単に変えることなどゆめゆめ考えられないことなのだ。

 このような麻生首相の正体が白日の下に曝されて、今週発表された内閣支持率(朝日・読売・毎日)は軒並み20%近くになった。一ヶ月前とほぼ半減で、不支持率は60%を超え70%近くになっている。麻生退陣の日は確実に目の前に迫っている。

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