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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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「成長なくして配分なし・・・経済成長戦略」

2010年1月11日  tag:

 鳩山政権は、昨年末、あわただしく「新成長戦略~輝きのある日本へ~」を出した。
その基本は、公共事業による成長を「第一の道」(公共事業依存型)とし、小泉流の構造改革による供給サイドの生産性向上を「第二の道」(市場原理主義)とし、その双方とも否定したうえで、民主党政権は「第三の道」、すなわち、地球温暖化や少子高齢化対策などで新しい需要を創出していくというものである。

 そのために「環境・エネルギー」「健康(医療・介護)」「アジア」「観光・地域活性化」を重点4分野とし、国民生活向上に主眼をおいた需要や雇用の創出を進める。

 そして、これにより、100兆円超の需要と470万人超の雇用を創出し、国内総生産(GDP)を09年度の473兆円(見込み)から20年度に650兆円へ引き上げる目標を掲げた。毎年のGDP成長率は名目で3%、物価上昇率を差し引いた実質で2%以上を見込む。今年6月までに具体的な工程表を作成するという。

 まずは遅ればせながら、こうした成長戦略を数値目標付きで出したこと自体は評価したい。しかし、この「第三の道」で掲げたような目標は本当に達成できるのか、鳩山政権は、供給サイドより需要サイド、企業支援より家計支援を重視するようだが、果たして、それで日本の将来が切り開かれるのか、はなはだ疑問ありと言わざるを得ない。

 確かにこれまで供給サイド偏重で、国民の生活や需要サイドにあまり目配りしない政治が行われてきたことは認める。それを是正するために、政治的キャッチフレーズとして、このようなプレゼンテーションをするということも理解できないわけではない。これまでも宮沢内閣のように「生活大国」を標榜した政権もあった。

 しかし、成長をいうなら中長期では供給サイドしかない。家計を豊かにし、GDPの6割を占める消費を喚起するという発想は間違いではないが、それは効果があっても短期的なものである。しかも、今のような状況では、せっかく「子育て手当」のようなものを支給しても、消費よりも貯蓄に向かうということも懸念される。

 経済は、その教科書が教えるように、「資本+労働+全要素生産性」で成長する。最後の「全要素生産性」は、「技術革新」と言い換えてもいい。「労働」が、少子高齢化でマイナスになることが予想される中で、やはり、これからの日本の将来を考えれば、「設備投資」と「技術開発」で経済を引っ張っていくしかない。

 その意味で、引き続き、供給サイドも重視した経済政策をとっていくしかないのだ。別の言い方をすれば、真に需要を産むには所得増(購買力)がなくてはならないし、その所得増=給料を増やすためには、民間投資と技術革新で利益(付加価値)を産まなくてはならない。需要重視の所得再分配だけでは成長はないし、小さなパイの奪い合いだけでは、あちら立てればこちらが立たず、だからパイ自体を大きくする必要があるのだ。

 したがって、我々「みんなの党」は、供給、需要双方を重視した「経済成長戦略」を近々策定したい。また、「外需か内需か」という議論があるが、まだまだ先進諸外国と比し、外需比率も内外投資比率も低い日本としては、「外需も内需も」というスタンスを出したい。現在、35兆円ともいわれる需給ギャップ解消のための、財政・金融一体政策の遂行は当然の前提である。

 鳩山政権の「経済成長戦略」も、総論では、勇ましい一見新味のありそうな考え方を打ち出しているが、各論になると、自公政権と変わらないような政策が並んでいる。それもそのはず、経済産業省のHPをみれば、「当省で行ってきた成長戦略検討会議での議論を土台に、政府全体の方針を策定致しました」とある。すなわち、官僚主導の賜物であることが明白で、それが限界でもある。

 「みんなの党」は、先の選挙で具体的な「成長戦略」をマニフェストで打ち出した唯一の政党だった。今回政権が打ち出した「アジア市場の内需化」も、そもそもは我々のマニフェストに明記されていたものだ。民主党政権下では、その工程表や具体策は6月まで先延ばしにされたが、我々は、遅くとも、今月中には、マニフェストにさらに肉付けした成長のための具体策を出し、国会で論戦を仕掛けていくつもりである。

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