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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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「小沢抜き民主党政権を!・・・小沢側近逮捕」

2010年1月17日  tag:

 現職の国会議員を含む、小沢幹事長側近が3人逮捕された。今後の捜査の推移によっては、小沢氏本人にも司直の手が伸びるかもしれない。政権交代してやっと新しい政治が始まると思っていた国民にとっては、やるせない思いで一杯だろう。

 大きな国民の期待を得て船出した鳩山政権。しかし、最近は支持率も急降下し、その根本的な理由は、鳩山首相のリーダーシップの欠如にあるとされる。本件でもそれが踏襲されるのであろうか(既に「小沢さんを信じている」「検察と戦ってください」等の発言あり)。

 私を含む「みんなの党」は、先の首班指名で「鳩山由紀夫」と書いた。当然、その責任もある。だからこそ言いたい。鳩山さん、「小沢一郎」という自民党旧経世会のDNAをこれ以上民主党内に持ち込まないためにも、この際、小沢一郎氏を切るべきだ。

 先の選挙での民主党の勝利は小沢一郎氏のおかげだという。「選挙の神様」「小沢神話」とも称される。だから、参院選を控えて彼を失いたくない、といった事情も実しやかに語られる。

 しかし、私はまったくそうは思わない。先の政権交代は、あまりにひどい自民党政治へのNOが最大の理由であり、仮に民主党内に功労者がいたとすれば、あの年金記録問題を舌鋒鋭く追及した長妻昭議員(現厚労相)であろう。

 また、小沢氏の選挙手法が通用するとすれば、失礼ながら「ど田舎」に限られ、私のような都会の選挙区では通用しない、と断言できる。不肖私は、これまで4回の選挙を、業界団体や労組に、人的にも資金的にも一切依存しない100%ボランティア選挙で勝ち抜いてきた。だからこそわかる。

 小沢一郎氏の選挙手法とは、結局のところ、表向きはともかく、アメとムチによる業界締め付け選挙でしかない。移ろいやすい無党派層は当てにせず、きっちりと団体・組織票を固めていこうというスタイルだ。それは、内実はともかく、小泉純一郎氏が仕掛けた「浮動票狙い」のスタイルとは根本的に異なるものだ。

 だからこそ「陳情の一元化」という発想も出てくる。これを、一部マスコミも含めて「政官業の癒着打破」のための方策と礼賛したが、私にはまったく理解できない。要は、自民党からその支持基盤を権力により引きはがし、自分の所へ持ってこようという動きでしかなく、その証拠に、れっきとした地方公共団体の長にまで、政党という法的に何ら位置付けられていない一介の組織が、それを強要した。

 公務員及びその所属する組織は、国であろうと地方であろうと、「全体の奉仕者」であり、どの政党の支持者であろうと、国民全体、県民・市民全体のことを考えて仕事をすべきである。

 その意味で、地方公共団体の長がその要望を行政府たる各省庁に伝え、また、それを各省庁が受けるのは当然の責務であって、それを「一党独裁」のように組みふせようとするのは言語道断の暴挙であろう。わが生まれ故郷の岡山県知事が民主党県連の制止を振り切って従来通り要望したのは当然の行動である。

 それだけでなく、このようなことを続けていたら、民主党は労組依存だけでなく業界依存、すなわち「W依存」の、自民党以上にひどい利権誘導政党になり下がってしまう。

 政権のガバナンスも問われている。そのためには、小沢一郎という政治家がいないと政権が回っていかないとも言われている。年末の小沢氏による予算要望の顛末がその象徴だ。何とも情けない限りではないか。それほど、民主党には人材がいないのか。私にはそうは思えない。

 鳩山さん、菅さん。民主党はあなたがた二人が心血注いで作り上げた政党だ。途中、民由合併で、小沢一郎という政局にたけた剛腕の政治家が、諸手をあげて(党名・政策・人事丸呑みで)合流してきた時に、私はこれは「トロイの木馬」だと断じた。その通り、見事に「ひさしを貸して母屋を取られた」格好だが、今からでも遅くない。今回の事態を奇貨として、原点に立ち返って、小沢抜きの民主党政権に作り直してはどうか。

 国民は、せっかく政権交代したのに、相変わらず、小沢一郎氏とか亀井静香氏という「昔の名前で出ています」という政治に深く失望している。したがって、ここは切り替え時、正念場だ。民主党に若い清新な人材は多い。「小沢抜き政治」でクリーンな透明性のある民主党に立ち返れば、多少の迷走はしても、国民は大きな心で見守ってくれるだろう。

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