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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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何と幼稚な議論を・・・民主党代表選

2010年9月 6日  tag: ,

 民主党代表選がメディアをジャックしている。一国の総理を選ぶ選挙戦だから、それもやむを得ないのかもしれない。しかし、ならばなぜ、もっと、この「国のかたちを変える」論戦ができないのだろうか。もっと、この国をどうするといった、ワクワクするような論戦にならないのだろうか。

 菅氏にせよ、小沢氏にせよ、「政治主導」とか「予算の総組み替え」とか、「雇用」とか「地域の活性化」とか、総論では言葉を重ねるが、政権交代して一年もたって、もうそんなレベルで議論している時期ではないだろう。国民にとっては、一体それを実際にどう実現してくれるのか、そこが聞きたいのだ。

 特に小沢氏については、口を開けば「政治主導」を訴えるが、そうなら、自分が幹事長時代の「小鳩政権」でやろうと思えばできたではないか。それを真逆の「政権移行チーム潰し」や「国家戦略局潰し」で、見事に「小沢主導」にした。この人の政治主導とは、何のことはない、内閣、政府に実権を渡さない、「自分主導」を意味していたのだ。

 そこをつかれると、「いや自分は幹事長で当時は政策には関わっていなかった」と平気で開き直る。それでは陳情の幹事長室一元化は何だったのか。それに基づく年末の「予算重点要望」は何だったのか。マニフェストを守るべきだと公言するが、あんたが真っ先にガソリンの暫定税率の廃止撤回で破ったんでしょう、とも言いたくなる。

 普天間問題については、一旦、私には腹案、知恵があるが今は言えない、といった表現をしながら、実はまったく案もなく、ただ、沖縄の理解を得なければならないといった当たり前のことを言い募るばかり。そこを突かれると「三人寄れば文殊の知恵」ときたもんだ。もう、この普天間問題の奥深さを知る者からすると、幼稚園レベルの議論でしかない。

 予算のムダ削減や組みかえによる財源捻出では、何年か前の、数千万円レベルの「融雪装置付き道路とスキー場併設」の例をひき、こういった事例を是正すれば、財源がすべて出てくるような話をくどくどとする。

 しかし、民主党政権が、あなたが、約束したのは「207兆円の予算の総組み替えで20兆円の財源を捻出」することでしょう。確かに、融雪装置付き道路を敷くために、わざわざ誰も使わないスキー場を建設するのはムダだが、それを是正しても数千万の削減だ。そんな桁が四桁も五桁も違う話を後生大事に長々としないでくれと言いたくなる。

 大体、この小沢氏という人は典型的なマキャべリスト。権力を握るためには手段を選ばない。自分が権力(闇の権力を含む。)を握れるか否か、そのために選挙に勝てるか否か、それ一点で判断し行動する政治家であり、そう考えれば、これほどわかりやすい政治家もいない。

 政治理念や政策は、したがって、それに一番都合よく、その後からついてくる。もっともらしく理念や政策を語るが、その実、そんなことはどうでもいい。また、都合が悪くなれば、いつでも180度違うことが平気で言える。日本改造計画では「構造改革派」「自己責任の小さな政府」だったが、今は、「分配・バラマキ重視の社会主義路線」だ。

 一方の菅総理の方も、時々、ペーパーに目を落としながらの官僚主導の「答弁」で、その象徴的な場面は、小沢氏が「一括交付金」の早急な導入を求めた時に、「いや社会資本整備交付金を新設した」と答えた場面であろう。

 事務方が用意した答弁をそのまま読んで、それは単に名前を交付金に変えただけで、実はまだ縦割りの紐がついた補助金でしかないという実態を小沢氏に指摘されて右往左往していた。ことほど左様に、国政のことが、まだあまりおわかりになっていないようだ。菅氏には、首相のリーダーシップ云々以前の問題があるように思える。

 今、日本が置かれている状況を考えると、こんな幼稚な議論をしている場合ではないのだ。一国のトップをコロコロ変えるのは恥ずかしい。その通りだが、どちらが代表、総理になっても、いずれにせよ短命政権に終わるだろう。そうなら、歴史のページは早く繰った方が良い。それがこの国のためだ。そのための大きな地殻変動が、この国の政治にひたひたと近づいている。

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みんなの党は、この国のかたちを変える!