議員立法で「大阪都」の踏み絵を各党に!・・・「みんなの党」が「大阪維新の会」を応援したわけ
2011年12月 5日 tag:
大阪秋の陣は「大阪維新の会」のW勝利、しかも圧勝で終わった。これまで自民や民主を相手に衆院小選挙区を戦ってきた私からすれば、何も驚くべき結果ではない。それだけ、政治への閉塞感、既成政党への不信感が強いということだ。
ただ、問題はこれからだ。期待が大きかった分、落胆も大きかったなんて、民主党の政権交代のようになっては困る。「大阪都構想」、その実現までには多くの、しかも高いハードルが待ちかまえている。橋下徹さんも、そのことが十分わかっているからこそ、選挙戦後、浮かれてはいないのだろう。
この選挙戦で、みんなの党は、渡辺喜美代表が何度も大阪入りするなど、他の国政政党とは異なり「大阪維新の会」を応援した。そのわけは、我々が「アジェンダの党」を自負しているからだ。
我々は、政治は「誰がやるか」よりも「何をやるか」が大事だと考えている。その「何をやるか」の「アジェンダ(政策課題)」、すなわち、「大阪都構想」と「公務員制度改革」を是非とも実現してもらいたい!その一心からだった。何も「大阪維新の会」という組織や「橋下徹」という個人を応援したわけではない。
みんなの党は、「大阪都構想」を、将来の「関西州」につながる、すなわち、我々が訴えてきた「(地域主権型/基礎自治体中心)道州制」の全国的な導入に発展する、その一里塚と位置付けている。大阪での「公務員制度改革」は、霞が関や守旧派政治家の反対で実現していない国の改革の、先行モデルになると考えているのだ。
だから、どこかの政党のように、選挙結果が出てから手のひらを返したように協力を表明した所とは違う(注)。そんな政党は、あわよくば勢いのある「維新の会」と次の衆院選で連携したい、そんな魂胆がみえみえで、国や大阪のことなぞ微塵も考えていないだろう。
このように、国政では、相変わらず亀井静香氏のように、「何をやるか」ではなく「誰がやるか」しか考えていない人が多い。「政策」より「好き嫌い」、こんな「政治理念」や「基本政策」すら一致しない政治家同士で新党を作ったところで、90年代の「小沢好きか嫌いか」の政界再編の焼き直しにすぎない。今の「考え方の違う寄り合い所帯で政治が前に進まない」民主党や自民党をもう一つ作るだけで、到底国民の理解は得られないだろう。
しかし、その「本気度」はいずれわかる。みんなの党が「踏み絵」をつくることになるからだ。私は先週の記者会見(11/29)【※1】で「この大阪都構想実現のために、地方自治法改正等の議員立法を年内に作成する」と表明した。もちろん「維新の会」と考え方をすりあわせた上だ。【※1】定例記者会見 (11/29)
幸い、「維新の会」特別顧問で、政策全般を取り仕切っている上山信一慶応大教授や、大阪の公務員制度改革を立案している原英史政策工房社長は、私が主宰している「脱藩官僚の会」の主要メンバーでもある。また、堺屋太一さんも、みんなの党、維新の会双方の後見役で日々ご指導いただいている方だ。人脈、ブレーンが共通しているのでコラボは、あえて「連携」などと言うまでもなく自然にできる。
この「理想形」の法案に賛成するか否か、その一点で、民主党や自民党をはじめ既成政党の正体が一発でわかる。単なる選挙目当ての、口先だけの「協力表明」や「連携」なのか、それとも本気なのか。次期衆院選をにらんで、なかなか面白くなってきた。
(注)みんなの党は、先の統一地方選(今年4月)でも、「大阪維新の会」の市会議員6名(大阪5名、堺1名)を推薦し【※2】当選させた。あまり報道されていないので知らない人も多いが、何も今回、W選挙が注目され、結果が「維新」の勝利になったからといって、民主党や自民党のように「すり寄っている」のではない。念のため)
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