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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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こどもが政治をやっている・・・民主党の人材枯渇も極まれり

2012年2月13日  tag:

 先週の予算委員会で、驚くべきことがあった。安住財務大臣が、昨年10月末に、「覆面介入」も含めた9兆円規模の為替介入をした時の、具体的な介入時のレートと介入をやめた時のレートを明らかにしてしまったのだ。「(1ドル=)75円63銭で(介入を)指示し、78円20銭でやめた」。

 およそ通貨当局の責任者が、どこで介入してどこでやめたとか言っている国はない。「通貨マフィア」の世界ではそれだけで相手にされなくなる。

 そもそも、変動相場制の下では「為替は市場に任せる」のが原則であり、先進国からは「介入」自体が問題視されるところ、あろうことか、その水準、「ターゲットゾーン」のようなものを公にしたのだ。「不見識極まりない」を通り越して、「シロウトの極致」だろう。おそらく、財務官僚の作成した「大臣用答弁資料」の「参考資料」を見て、「どうだ自分が指示したんだぞ」と言わんばかりに読みあげてしまったにちがいない。

 もちろん、通貨当局者の「手のうち」を明かすことにもなり、今後の為替相場や市場関係者に与える影響も甚大である。そして、こんな口の軽い大臣相手に、誰もG7等で極秘裏の情報は提供しなくなる。いや、こんな大臣の出席すら拒まれるかもしれない。すなわち、通貨マフィアの世界から完全に締め出されるのだ。頭を抱え「火消し」に躍起となる財務省
通貨官僚たちのあわてぶりが目に浮かぶ。

 この「御仁」が、財政や金融について「シロウト」であることは、過去にも前歴がある。予算委で私が「CDS」(クレジット・デフォルト・スワップ)のことを質しても知らなかった。「ギリシャは対岸の火事ではない!」と財務省が言うとおりのことを
叫んでいる大臣が「CDS」のことを知らない。それだけで「ギリシャが云々」など語る資格はないのだ。今、ギリシャでは、このレートが50%以上となっていることが「財政破たん」の象徴にもなっているのだから。

 また、私が、同じく予算委で「新発国債の実勢金利と予算上の想定金利との差で、約1兆円の剰余金が出てくる。
これを復興財源に使うべきだ」と追及した時も、「それは減債制度とからむので、むにゃむにゃ」と答弁した。よほど、私が一般会計から国債整理基金への10兆円の繰入れを停止して、それを復興財源にしろと提案してきたことに対し、財務省ご進講の「反対論」が頭に沁みついていたのだろう、まったく素っ頓狂な答弁をしてしまったのだ。

 「これは減債制度とはまったく関係ない話」と私が言ったら、さすがに、そこは財務官僚に2年以上、手塩にかけて育てられてきた野田首相のこと、彼は「確かに、予算をつくる時に、過去、国債の一番急激に金利が変動したのが1.1%だったので、実際の金利1%に、この1.1%を上乗せしている。したがって、実際1%ですむということになれば、その差額は、ご指摘のように有効に活用していきたい」と正確に答弁した。この財源はめでたく、のちに先週成立した第4次補正の財源になった。

 防衛大臣の「イロハ」も知らない迷走答弁の連続にせよ、この財務大臣の「存在の堪えられない軽さ」にせよ、しかし、一番責任が重いのは、こんな大臣を任命した野田首相自身だろう。そう、彼の「任命責任」が厳しく問われるべきなのだ。

 先週、復興庁創設に伴う大臣一人増で、防災担当大臣が新たに任命された。その人がまたまた、つい先日、文部科学大臣を辞した中川正春氏だったのだ。こうした「人材の使い回し」でしか内閣が組織できない、民主党の人材枯渇もここに極まれり、だろう。この民主党政権は、その意味でも、もはや限界に限界をヒットしている。

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