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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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「数字の辻褄合わせ」増税は破綻を招く①・・・月刊誌「Voice」九月号(PHP研究所)より

2012年9月18日  tag: ,

 六月末、社会保障と税の一体改革関連法案が衆議院を通過した。しかし、医療・年金など国民が待ち望む「持続可能な社会保障」の抜本改革は先送りされ、消費税増税だけがきっちりと決められたかたちとなった。もはや「一体改革」と
いうのは名ばかりで、剥き出しの「増税一直線路線」といっていい。

 なぜ今回、民主・自民・公明の三党が、消費増税の方向で足並みがそろったのか。それは、同じ時期の各党の動き
をみれば、自ずとみえてくる。民主党が六月下旬にゴーサインを出した、整備新幹線三区間(北海道、北陸、九州)の
着工。自民党が六月に国会に提出した、十年間で二百兆円を公共事業に使うとする「国土強靱化法案」。さらに公明党
が七月に打ち出した、十年間で百兆円を投じるインフラ整備策「防災・減災ニューデール」。いずれも財源は国債などで
賄うとしているが、なぜわざわざこのタイミングで出すのか。これは消費増税分が当てられると疑われても仕方がなく、
私は実際にそうだとみている。

 野田佳彦首相は野党時代、自民党政権のばら撒き政策を批判し、「シロアリ(無駄遣い)退治をしないまま増税したら、そのお金にまたシロアリがたかるだけ」と述べた。皮肉なことに、まさにいま、そのとおりのことが起ころうとしているのだ。たとえば、自民党の「国土強靭化法案」の中身をみれば、「多極分散型の国土形成」「国土の保全及び均衡ある発展」が基本理念とされている。これはかつての田中角栄氏による「日本列島改造論」と見紛うほどである。そして当時の結果をみれば、公共事業に投じられた資金は途中で中抜きされ、本来恩恵に与るべき住民や地域に十分に行き届かなかった。こうした土建利権国家の「夢よふたたび!」だ。

 くわえて、現在の経済学では「マンデル・フレミング効果」が常識となっている。変動相場制のもとでは、公共事業のために財政支出を行なっても、金利の上昇→円高→輸出減が起こり、その効果が吸収されるというものだ。つまり公共事業は、ほとんど景気浮揚に寄与しないのである。

 われわれ「みんなの党」は、公共事業を全否定するつもりはない。老朽化した施設の耐震補強や、東日本大震災からの復旧・復興は当然、行なわなければならない。だが、現在の状況下での消費増税・公共事業拡大を行なえば、財政再建どころか、間違いなく日本経済の悪化に拍車をかけることになる。(来週に続く)

(今週から、VOICE9月号に掲載された江田インタビュー記事を数回にわたって掲載します。)

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