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シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・(2)なぜ政治にお金がかかるのか?(中)

2016年2月22日  tag:

 先週説明した「事前運動」に係るお金に加え大きいのは、「私設秘書」の人件費です。現在、秘書3名までは「公設秘書」として、国から給与等は支給されますが、これでは政治活動を支える人数としてはとても足りません。少なくとも東京の議員会館と地元の事務所に相応の体制を組む必要があるからです。
 

 私の場合、無所属議員でスタートしたということもあって、おそらく衆院議員では最も少ない人数で切り盛りしていますが、現在、議員会館に2名、地元事務所(1か所のみ)に4名、それでも3名分の人件費は自前で支給しなければなりません。一人平均仮に400万円とすると、それだけで年間1200万円の経費がかかるのです。


 しかし、自民党の政治家をはじめ、こんな少人数の事務所自体がまれで、選挙区内に何か所か事務所を置いて地域割りをして担当させたり、甘利問題でも露呈されましたが、地元選挙区での口利き・ご用聞き用に私設秘書を何人も雇えば、その分、多額な人件費もかかってしまいます。実態はよくわかりませんが、自民党の大物政治家では、ゆうに私設秘書は10人を超えているのではないでしょうか。

 
 中には、冠婚葬祭専門で一人専任で秘書を置いている政治家もいます。いち早く選挙区内の通夜、告別式や結婚披露宴の情報をキャッチして、政治家本人や秘書が参会したり、祝電、弔電を打ったりするためです。


 以上のように「事前運動」や「事務所維持・運営」「私設秘書」に多額なお金がかかる。それを企業団体献金や資金集めパーティーでまかなっているというのが実情なのです。


 昔、ある月刊誌で、自民、民主の若手政治家何人かが、政治資金収支の詳しい内訳を公表したことがありました。それによると、少ない人で年間4000万円、多い人で1億円もかかっている。彼らのように、比較的清貧で改革派の政治家でもそうなのです。与党・自民党の幹部クラスの代議士であれば、年間1億円から2億円程度は、ざらにかかっているのではないでしょうか。派閥の長にでもなれば「子分」に配るお金も必要になるでしょうから、さらにかかります。


 私は、なかなか、こうした政治活動の実態が国民に伝わっていないから、政治資金への理解も進まないのだと思っています。華美なビラや口利き、御用聞きの私設秘書等の経費、ましてや子分に配るお金まで税金でまかなう必要はさらさらありませんが、現行の公的助成制度で、政治にかかる最低年間4000万円前後の経費さえ賄えないのが実情なのです。


 それでは、その「公的助成制度」はどうなっているのでしょうか。


 現行では、政党助成金に、国民一人当たり250円負担していただいています。それが年間300億円超にのぼります。それが、各政党の議員数と得票率に応じて分配(共産党は辞退)されているのです。


 政党に交付された先の実際の運用はどうか。単純に、政治家個人への人頭割り配分にはなっていません。なぜなら、自民党や民主党のような大きな政党組織では、党職員の給料や建物の維持管理費も賄わなければならない。そこにも政党助成金が充当されるので、末端の国会議員には、年間1000万円~1500万円程度が渡されることになります。


 加えて、政治家個人には、国会から「文書通信交通滞在費」という名目で、毎月100万円が支給されます。これが年間1200万円。合わせて2200万から2700万円ぐらいの助成金があると考えればいい。


 他に、月に65万円の「立法事務費」というものがありますが、これは基本的に政党・会派に支給されるので、政治家個人には回ってこない。したがって、残りの不足分、すなわち、年間1000万~2000万円程度のお金を、通常の議員は自分で調達しなければならないのです(続く)。

【バックナンバー】
シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・②なぜ政治にお金がかかるのか?(上)

シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・②なぜ政治にお金がかかるのか?(上)
シリーズ/企業団体献金の全面禁止を!・・・②なぜ政治にお金がかかるのか?(下)