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「食料品ゼロ%」にしても、飲食店の負担は増えず、むしろ、その利益が増える理由

2025年5月23日  tag:

 「食料品の消費税ゼロ%」を巡って、SNSの一部で「飲食店の倒産続出」という言説が流れています。その前提は、食料品の消費税をゼロ%にしても、その分、食材は下がらないことを理由にしているようです。

 しかし、その心配がないことを、大村大次郎さんという方(元国税調査官)が的確に説明されています。大村さんは、自らを「消費税は悪税。廃止すべし」との立場だと明言された上で、「消費税減税派(廃止派、一律5%減税派、食料品ゼロ%派)」が、こうした言説の流布で分断され、みすみす「消費減税反対派」に「塩」を送っていることを危惧されています。

 私は、大村さんと必ずしも消費税に対する考え方を同じくするものではありませんが、今後の政局、大局にたって、こうした努力を払っておられることに敬意を表したいと思います。(大村さんの説明についてはこちら→ および  をクリックしてください。国民民主党やれいわ新撰組へのくだりは、この問題でも野党連携が必要だという私が共有するものではありません。念のため。)


「食料品ゼロ%」にしても、飲食店の負担は増えず、むしろ、その利益が増える理由

 前提として、町のラーメン屋さんや定食屋さんは中小零細が多く、売上げが年間5000万円以下のお店が大半です。その上で、

①売上げ1000万円以下の免税業者
 食料品の消費税が8%であろうが、0%であろうが、そもそも消費税を納めてないので、関係ありません。むしろ、食材が下がれば、その分だけ利益が出ます。ただし、その食材値下げ分、飲食店が値段を下げれば、従前と利益は変わりません。下げてくれれば消費者はうれしいですね。

②売上げ5000万円以下の簡易課税対象業者
 この場合も、消費税の税率にかかわらず、飲食店の納税額に変わりがありません。なぜなら、簡易課税制度では、実際の仕入れ額やそこにかかった消費税を一切考慮しなくて良いからです。売上げの60%が自動的に仕入れ控除になります。

③売上げ5000万円超の大手チェーン店
 大手チェーン店は、食材納入業者に対し、価格設定については優位な立場にある場合が多く、食料品ゼロ%になれば、納入価格はその分下がることが多いでしょう。食材納入業者は過当競争でもありますからね。

 いずれにせよ、一般消費者や食材納入者(農家や漁師、地元の卸業者等は消費税の還付金受領)には、食料品ゼロ%で多くの恩恵が及ぶわけあり、また、特に、可処分所得がそれだけ増える国民にとっては、たまには外食しようと飲食店の売上げも上がる可能性があります。

 海外で「食料品ゼロ%」を採用している国は多いですが、それで「飲食店倒産続出」なんてことが一切ないのは、これでお分かりになると思います。

日経新聞にインタビュー記事「トランプ関税で再び脚光、橋本龍太郎流の交渉術 当事者に聞く」が掲載されました